TD勉強会

旅行流通(Travel Distribution = TD)に関する世界のニュース集
 
新着情報
  •  2020年11月 16日号 編集人コメント

SoftBank Vision Fund(SVF)が、欧州のマイクロモビリティブランドであるTierへ2億5,000万ドルの投資ラウンドを主導した記事が「20. 11月9日の週の資金調達」に掲載されている。今年の海外事情におけるソフトバンクの旅行関連投資については、中国配車サービス滴滴に5億ドル(6月29日号(2))、米カーシェアーGetaroundに1億4,000万ドル(10月26日号)、T&A OTAのGetYourGuide(ドイツ)に1 億1,400万ユーロ(11月2日号)の記事が見つかる。Wikipediaに掲載されているSVFの主な関連投資のうちの旅行関連では、配車サービスGrab(シンガポール)、バジェットホテルOYO(インド)、配車サービスUber(米)、T&A OTA Klook(香港)が並ぶ。この他にもソフトバンクグループが、今年6月、モビリティスーパーアプリSplyt(英)のシリーズBラウンド19.5百万ドルを主導している。

ソフトバンク グループは、特定の分野において優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ多様な企業群に投資する「群戦略」をグループの成長戦略にしている。旅行に対するこれらの投資、すなわち“旅行群戦略”投資は、COVID-19終息後の金の卵になるか。「12. アジアでトラベルテック回復、他地域リード」は、アジアの旅行とモビリティーのテクノロジーが世界をリードすると予想し、KlookとGrabの提携などのコラボが中長期的には多くなると言っている。KlookもGrabもソフトバンクの投資先だ。

ソフトバンクの投資は、WeWork投資、TikTok米大統領売却命令、アリペイ上場中止に振り回されている。このうちWeWorkは、最近のリモートワークの増加で業績回復、2021年に黒字化してIPOを検討するという。

COVID-19といえば、ワクチン開発成功のニュースを受けて欧米市場で旅行関連企業の株価が急騰した。「7. ワクチン開発、政府規制緩和が市場回復促進」は、『2019年12月の発生以来、間違いなく最初の真にポジティブなニュース』と喜ぶ。そして、このパンデミックによる甚大な影響が、事業の“リセット”の重要な機会でもあると言っている。

ワクチン開発のニュースの一方で、感染拡大が止まらず欧州の一部都市では再びロックダウンが開始された。そのためか、株式市場の過剰な反応に注意呼びかける投資家も少なくない。急落有り・・・と警鐘を鳴らしているようだ。米FRB議長は、米国景気回復は2021年末までかかると予想する。

この他、「10. オンライン旅行プラットフォーム、ゲートキーパー規制要求」が、欧州委員会のデジタル経済新規制の動きを伝える。海外事情10月26日号のいくつかの記事が伝えた米司法省のGoogle提訴の記事と比較すると、欧州サイドの規制の方が断然に厳しい。この問題を担当している欧州競争監視当局の幹部は『最大のゲートキーパーは、我々の自由、機会、さらには民主主義さえも脅かしている。したがって、世界最大のゲートキーパーにとって、状況は変化しなければならない。彼らは我々の安全と機会に与える影響について、より多くの責任を負わなければならないだろう』と断固たる決意を述べる。

もっとも米司法省が起こした裁判の行方も、民主党新大統領に変われば様相が変わったものになる可能性が強いのではないだろうか。

  • ​ 2020年11月9日号 編集人コメント

旅行関連企業のExpedia Group, Hilton, Uber, Sabre, Amadeus, Tripadvisor, Booking Holdingsの都合7社の第3四半期(7月~9月)決算発表の記事があった。各社は、依然としてパンデミックで大きな影響を受けているものの、前第2四半期より大幅な収支改善を達成した。とは言え、いずれの経営者も、誰もが市場の早期回復を切望しているけれども、それが何時頃になるか?見通せていない。

 

これ等の記事で、特に印象に残った箇所を羅列してみると、

  • Expedia Group:2月以降初めてキャッシュフロー中立達成、代替宿泊施設予約ブランドVrboが予約人数と収入の両方で前年比増を達成。

  • Hilton:世界のほぼ全てのホテルをオープン、Q2比OCC 20%p上昇。

  • UBER:モビリティ総販売額 前年比50%減、デリバリー135%増加。

  • Sabre:ITソリューション部門収入が流通部門を上回る。

  • Amadeus:国内線航空予約がより改善、Sabre同様ITソリューション収入>流通部門。旅行会社予約収入がキャンセル額を上回る。

  • Tripadvisor:9月ユニークユーザー数 前年比74%まで回復、今後数ヶ月以内に4億人のユーザーを対象としたサブスク新モデル開始する。

  • Booking Holdings:利益計上に復帰、国内旅行より改善、connected trip戦略維持、10月に米国で航空予約開始、代替宿泊予約増加。

 

これ等の羅列から、国内旅行と代替宿泊施設予約が増加していることが分かる。代替宿泊施設予約といえば、「12. エアビーのパンデミック対応」が、Airbnbが『IPOに先んじて競合他社よりも優れた生き残りを発揮する能力を示している』と伝える。この記事が掲載しているTransparentの

グラフは、Airbnbの圧勝が一目でよく分かる。どうやらパンデミックが後押しする代替宿泊施設人気は本物のようだ。Bloombergの10月28日のニュースは、上場先としてNASDAQが選ばれ、取締役会が1対2の株式分割を認め、最大30億ドルの資金を調達する計画だと伝える。これを読むと、当初言われていたダイレクトリスティングを取り止め、通常のIPOに変更されているようだ。強いエアビー人気を背景に、Brian Cheskyが強気になっている。

 

またこれ等の3Q決算の記事の中で、UBERのデリバリー事業収入の大幅増とTripadvisorのサブスク新モデル開発が目立つ。こんな逆境の最中に新規ビジネスの開発は素晴らしい経営努力だ。

新規事業開発ではないが、環境問題に配慮する新興企業Jet-Set Offset(CO2対策)(「25. 2020年のホットなスタータップ25社」)とTree4Travel(植林事業)(「3. 新興企業ステージ:Trees4Travel」)の記事もあった。これ等のスタータップは、旅行のニューノーマルに備えている。これからは、各種経済指標よりもSDGsとか企業のESG投資を代表するKPIがより重要視されるのだろう。

 

欧米で、コロナ感染者数が再び大幅に増加している。米国では13万人、フランスでは6万人、英国とドイツではそれぞれ2万人を超えて過去最高の1日あたりの感染者数を更新している。記事にあった通り各社の第3四半期決算が前期比大幅改善達成と言っているけれど、これでは業績逆戻りの可能性なしとしない。

 

今週号ではこの他にも、「9. 2021年の航空会社ロイヤルティ」で、『ロイヤルティプログラムが、航空会社を買収するか新しい航空会社を開始する』とマレーシアの航空ロイヤルティ専門家Mark Ross-Smithの大胆な予想を披露している。しかし、すでに米国航空会社大手3社は、収益を生むマイレージ事業を担保に多額の融資獲得や借入れ枠を設定しているのだから、これはそんなに大胆な予想でないのかもしれない。

​2020年11月23日号 編集人コメント NEW

Airbnbが、11月16日に米証券取引委員会(SEC)に上場申請書(S1フォーム)を提出した。先月、同社取締役会が、1:2の株式分割を承認、ティッカーはABNB、上場先としてNASDAQを選び、およそ30億ドル(約3,000億円)の資金調達を目指すとすでに報道されていた。「10. エアビー、上場申請」は、旅行業界識者12人のコメントを掲載した。そのほとんどが、共有経済の申し子Airbnbの偉業を褒め称えている。そしてその多くが、コロナパンデミックによる代替宿泊施設(Airbnbの中核ビジネス)の人気急騰が、幸運にもタイミングがドンピシャで上場の決定を後押ししたと述べている。コメントの中の2つは、強いブランド力による直販中心の販売戦略を推進、広告費を回避、つまりGoogle依存を回避したビジネスモデルが素晴らしいと言っている。

 

パンデミックが始まった頃は、プロの衛生管理者を抱えるホテルの方が、それらの専門家が乏しいホームシェアより断然選ばれると予想されていた。大手チェーンは、「これで代替宿泊施設に勝った!」と大喜びしたものだ。そしてAirbnb創立者Brian Cheskyの「我々が知っていた旅行は終わった ― それは二度と戻って来ない」と諦めともぼやきとも聞こえる発言が飛び出した。

それがどうだ、チェーンの期待は見事に裏切られ、大喜びはあっという間にヌカ喜びに終わってしまった。Brianの慨嘆は、真逆の喜びに変わった。ソーシャルディスタンスが困難なホテルが嫌われたのだ。Airbnbは“Enhanced Cleaning”プロトコルを導入、ホストによる施設の衛生管理を強化して弱みを強みに変えたことも、ますます代替宿泊施設の人気を高める結果となった。

 

賞賛溢れる識者たち12人のコメントの中で、わずか3人が“懸念” ないし“課題”を述べている。曰く「ホストが満足する支援が続けられるか?住宅市場を圧迫、地方自治体や規制当局による課題に直面する」とか、「リモートワークが常態化すれば、個人のセカンドハウス購入が増加、その結果Airbnbの施設在庫が減少する可能性がある」とか、「ホストとの信頼関係を維持し続けることが可能なのか」・・・と。

 

WSJは、Airbnbの上場後の時価総額は300億ドル(約3兆円)を上回ると予想する。2017年のバリュエーション310億ドルをも上回る可能性があり、今年当初の180億ドルからの爆発的増加が予想されているというのだ。そうなれば、Brain Cheskyの「総合旅行会社」構想の具体化が進み出すだろう。

 

話は変わって、「20. ブッキングH CEO、代替宿泊施設を語る」は、Booking Holdings CEO Glenn Fogelが、“法人旅行需要は当面低迷が続く”と言っていると伝える。パンデミックで、法人需要どころか海外旅行全体が壊滅的影響を受けている。世界最大の国際線供給量を誇る北大西洋航空路では、ASK(有効座席キロ)が依然として前年比70%以上も低下したままだ (BCG Travel Recovery Insights Portal)。

 

この記事の報道ではないが、Bill Gatesが、NY Times主催のDealbook会議で、「50%以上のビジネストラベルが消滅するだろう」と言っている (interestingenginnering.com)。「オフィスにおける就業日の30%が消滅する」とも言っている。2015年の「世界の次の大きな災害は戦争ではなく、微生物レベルによる」の彼の発言通りのCOVID-19パンデミックとなっているので、その凄い洞察力はお墨付きだ。今年初めには、「COVID-19のようなものの発生は、20年程度ごとに起こるだろう」とも予想している。一方、データ分析の英GlobalDataは、50%の事業主がMICEイベントに今後12ヶ月間従業員を参加させないことを同社の調査で明らかにした。この調査は、Amazonが2020年に10億ドル(約1,000億円)の出張費を節約するとも伝えている。ZOOMなどのオンライン会議で代替しているのだろう。

海外事情 2020年 11月 9日号

1. (TJ) スカイスキャー、COVID-19保険開発

2. マリオット業績回復、中国市場がリード

3. 2021年のホット25スタータップ 

4. 新興企業ステージ:Float

5. ホテルのファンネルトップデータ利用

6. 旅行イノベーションのデジタルと持続可能性トレンド

7. ワクチン開発、政府規制緩和が市場回復促進

8. リフト 第3四半期 前期比47%改善

9. Lastminute.com Group夏需要旺盛なるも通期55%減収

10. オンライン旅行プラットフォーム、ゲートキーパー規制要求

11. 航空会社のAI装備収入管理

12. 私の足跡エピソード50:Paul Melhus, ToursByLocal

13. アジアでトラベルテック回復、他地域リード

14. VIDEO:Googleダイバーシティー         15. Despegar、メキシコとブラジルで静かな回復

16. トラベルテックショウ

17. 米感謝祭、目的地選択シフト

18. 直言:企業のダイバーシティー(多様性)

19. 収入管理、システムから戦略へ

20. 11月9日の週の資金調達

  • Tier、2億5,000万ドル調達

1.(TJ) エクスペディアG 第3四半期

2.(TJ) ブッキングH第3四半期

3. 新興企業ステージ:Trees4Travel

4. マリオットの情報漏洩 罰金 $1,800Mに減額

5. アトラクションがグループの販売を押上げる方法

6. フォーカスライト会議プレビュー 

7. CTM、Tramada買収

8. 66%の企業がセキュリティ対応不十分

9. トリバゴ 2021市場回復期待

10. 新興企業ステージ:Trip Affiliates Network

11. 2021年の航空会社ロイヤルティ

12. エアビーのパンデミック対応

13. ホテル予約のリセット進行中

14. 豪Travello、Backpacker Deals買収で弾み

15. ヒルトンで需要回復、第3四半期

16. VIDEO新しい現実・・・Hopper  CEO        11/2週 第2位閲覧記事

17. 次世代ホスピタリティ ソリューション

18. 直言:間際予約はアトラクションDNAではない

19. InPhocusエピソード27:Duffel

20. 私の足跡エピソード49: Flyr, Alex Manns   11/2週 第6位閲覧記事

21. ウーバー     第3四半期

22. セイバー     第3四半期

23. アマデウス  第3四半期

24. トリアド     第3四半期

25. 2020年のホットなスタータップ25社

26. 11月2日の週の資金調達

  • Tourplus 100万ドル調達

  1. (TD) エアビー、11月16日上場申請

  2. (TD) 短期レンタル、ワクチン開発ニュースで予約増

  3. 新興企業ステージTravevel

  4. 旅行会社の市場回復準備

  5. 旅行会社、グーグル規制を欧州当局に要請

  6. T&Aとアトラクション セクターの現状

  7. VIDEO : Phocuswright Conf ローンチピッチ優勝Cloudbeds

  8. VIDEO : Phocuswright Conf サミットピッチ優勝Trueface

  9. VIDEO, Phocuswright Conf サミットピッチ参加Vouch

  10. 消費者の旅行熱不滅、トリアド

  11. エアビー上場申請、業界識者コメント

  12. COVID-19のOTAへの影響

  13. 新興企業ステージ:Colibra

  14. VIDEO, Phocuswright Conf ローンチピッチHalalBooking

  15. ブッキング、レンタル物件に最低衛生スコア要求

  16. eDreams Odiego、市場回復サイン発見

  17. VIDEO, 旅行業界で多様性と包括性が重要

  18. VIDEO, Phocuswright Conf サミットピッチCheKin

  19. 直言:ワクチン開発、市場回復貢献

  20. ブッキングH CEO、代替宿泊施設を語る

  21. 11月16日週の資金調達

  • スーパアプリGojek $150M調達

  • Tourlane 2,000万ドル調達

 
旅行流通に関する世界の
ニュース集

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記事の一部は、トラベルジャーナル誌(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD/海外事情」に掲載しています。このサイトには、TJのコラムに掲載された記事以外の記事を、TJ発行日の3日遅れで掲載しています。

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