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 業界研究 世界の旅行産業 
米旅行流通調査会社Phocuswrightのバナー

5月21日 NEW

目次

9. Speaker Alert: Karen Bolda of Expedia Group

10. WiT Queenstown、2026年にデビュー

11. アパートのネットワーク Landing、1.8億ドル調達

12. Amadeus、インテリジェンス会社 ForwardKeys 買収

13. Ariane Gorin、Expedia Group CEO 1年を振り返る

 

5月20日

目次

5. インタビュー:Dida の Gareth Matthews

6. Expedia Group 元CFO Erick Hart が復帰、戦略と事業開発を担務

7. Trip.com Group 第1四半期、増収と倍増インバウンド予約

8. 旅行サイバーセキュリティ持続、なぜ悪化する

5月19日

目次

1. Speaker Alert: Alix Boulnois of Accor

2. 新興企業の舞台:VanityPass、若年旅行者ロイヤリティ報酬再設計目指す

3. 体験がホテルRevPARを 55%増加できる

4. バケーションレンタルのアンシラリーが新フロンティア?

2025年5月第3週の編集人コメント

 

今週では、ホテルのリテーリング(7.の記事)、Airbnbの新プロダクトであるServices(12.の記事)、そしてExpedia GroupのAI活用(15.の記事)に注目したい。

 

「7. テクノロジー、客室収入を超えてホテルを支援しているか?

ホテル業界は、従来の「1部屋あたり収益(RevPAR)」から「1ゲストあたり収益(RevPAG)」へと注目が移っている。これは、客室だけでなく、ホテルが提供する全てのサービスや体験から収益を最大化しようという狙いだ。消費者の行動が変化し、部屋代の支出が減少する一方で、付加サービスやアンシラリープロダクトへの支出が増えていることが背景にある。AIや新しい技術を活用することで、需要を喚起し、収益を向上させることが可能になる。RevPAGは、全てのホテルに適用できるが、その方法はホテルのタイプに応じて異なる。高級ホテルでは、ゲストの好みや消費行動に基づいてパーソナライズされた体験を提供することが重要だ。

この話は、以前のニュースにも登場していたRevPAMに相通ずる話だ。RevPAMとはRevenue per available meterの略で、ホテル施設の1平米あたりの収益最大を目指す指標である。ホテル業界も、航空業界も、皆「小売」の戦略を強化している。というよりは、Amazonなどのオンラインのリテーリングに一生懸命追いつこうとしている。

 

12. Airbnb、ケータリング・マッサージ・パーソナルトレーニングなど新サービス

Airbnbは、2025年夏の発表で「Experiences」の再リリースと新しい「Services」カテゴリー、そして新しいモバイルアプリを発表した。これにより、宿泊施設だけでなく、旅行者向けの多様なサービスを提供し、全体的な旅行体験を向上させることを目指している。新しいアプリは、宿泊、サービス、エクスペリエンスの予約を一元化し、旅行中のあらゆるニーズに対応できるように設計されている。業界からは賛否両論があり、特にサービス部門はスケーリングが容易で、年間を通じてアプリの利用者を引き付けることが期待されている。

AirbnbのServicesは、民泊とは異なるサービス提供で、シェフ、マッサージ師、ヘアスタイリスト、トレーナーなどが提供する追加的なサービスを利用者が選べるようになっている。語弊があるが、何だか「便利屋」みたいな位置付けなのだろうか。日経新聞16日朝刊17面は「エアビー『スキルシェア』仲介」と伝える。誰でもサービスを販売できる(便利屋のための)オープンプラットフォームのようなものなのだろうか。

Airbnbは、事業の多角化に舵を切っているようだ。ところで、ホームに加えて航空チケット販売も取り込んだ「総合旅行社」構想はどうなっているのだろうか?

Airbnbのコネクテッドトリップに基づけば、当然、航空も取り込むことなる。航空チケットの取り扱いが実現すれば、他のOTAや旅行会社に対抗するための大きなステップとなり、より一層の多角化が進む可能性がある。

つまり、Airbnbの方向性は、宿泊業(短期レンタル)の枠を超え、旅行全体をカバーするプラットフォームへと進化している途中であり、航空チケット販売の取り込みもその一環として考えられるのかもしれない。

また、新しいモバイルアプリについて、Airbnbは「everything app」とも呼んでいる。であれば、「スーパーアプリ」と同じもののように聞こえる。しかし、よく読んでみると、このアプリは、Airbnbの多機能(ホーム + Experiences + Services)を統合したものであり、あくまで旅行関連の体験や宿泊、サービスに特化しているのだから、日常のサービスを網羅するスーパーアプリとは異なるものだ。

 

「15. Expedia Group、B2B 部門強化して新API と広告機能追加

ExpediaがAIを活用して、増収と競争力を強化している。特に、B2Bパートナーとの連携強化や、AIを通じてより効果的な旅行の発見と予約体験を旅行者に提供し、この会社が強いいB2Bの世界では提携企業の関係(増収支援)を強化することで、旅行業界でのシェアを拡大しようとしている。

AIを活用して直接的なトラフィックやパートナーシップを強化することで、Googleに支払うマーケティングコストを減少させる一助としたいのだろう。ただし、完全に依存を無くすのは難しく、Googleの広告システムは依然として重要な集客手段であるため、削減効果には限度があるかもしれない。

「20. AIによるリアルタイムのアベイラビリティと価格はホスピタリティ流通を変える:準備はできているか?」は、Google Hotels Ads広告はすでにGemini(Googleの「マルチモーダルAI、以前のBard)に表示されており、Googleが有利であることを示していると言っている。

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5月12日

1. Speaker Alert: Marnie Wilking of Booking.com

2. 97% STRホスト、成功にはテック不可欠と語る

3. 断片化、規制、加速:新しい短期レンタルのプレイブック

4. 投資家が旅行スタートアップについて間違っていること       閲覧数第4位

5月13日

5. 短いインタビュー: Chain4Travel の Pablo Castillo

6. Wonderful Copenhagen、持続可能報酬プログラム復活

7. テクノロジー、客室収入を超えてホテルを支援しているか?     閲覧数第3位

5月14日

8. Speaker Alert: Greg O’Hara of Certares

9. Game On:Phocuswright Conference 2025

10. Skyscanner、新CEOを任命

11. MakeMyTrip、2024年度最高取扱高と収入            閲覧数第5位

12. Airbnb、ケータリング・マッサージ・パーソナルトレーニングなど新サービス追加     閲覧数第1位

5月15日

13. 短いインタビュー:Omio の Veronica Diquattro

14. HBX Group、ホテル電子的運営支援で Civitfun 買収

15. Expedia Group、B2B 部門強化して新API と広告機能追加     閲覧数第2位

5月16日

16. Tern、1,300万ドル調達して新機能立ち上げ

17. PhocusWireの今週のトラベルテック記事のまとめ

18. 2025 Global Startup Pitch 、19候補が最終決戦へ

19. ProsusのDespegar買収完了

20. AIによるリアルタイムのアベイラビリティと価格はホスピタリティ流通変える:準備はできているか?  閲覧数第6位

2025年 5月第2週 の編集人コメント

 

「21. 旅行業界がGoogle広告に引っ掛けられている理由(そしてそれについて何をすべきか)」は;

毎年、世界中で約2,370億ドル(約35兆円)がGoogle Adsに費やされ、Googleの収益の75%以上を占めている。多くの旅行会社はGoogle Adsに依存しており、その結果、Googleを介して顧客を引き寄せることがビジネスの成否に直結している。特に、検索エンジンの結果で上位に表示されるためには、Google Adsに投資することが唯一の方法になっている。しかし、これに依存し続けることはリスクが大きく、広告費の増大に繋がる、と指摘する。

 

ところが、AIの進展により、Googleの広告モデルに変化が訪れる可能性があるという。特に、AIを活用した新たな広告機会が登場することで、旅行業界にとっては安価な広告クリックの機会が生まれるかもしれないというのだ。

 

日経新聞 5月11日「グーグル、揺らぐネット支配  iPhoneの検索減/シェア90%割る 対話型AIへ代替進む」は、Googleはネット検索の支配的地位が揺らいでおり、特にiPhoneでの検索シェアが減少している。AppleがGoogleの検索エンジン以外のAI検索も追加する方針を発表し、これによりGoogleの広告モデルが脅かされている。従来のキーワード検索が対話型AI(例:ChatGPT)に取って代わられる可能性が高まっており、Gartnerは2026年には検索の25%がAIに置き換わると予測している。

Googleは自社で「Gemini」を開発して対話型AIに対応しているが、開発スピードや導入実績でオープンAIに後れを取っている。また、広告閲覧数が減少する可能性があり、その影響で収益の大部分を占める広告ビジネスが危機に直面している。これにより、Googleは「革新から守る側」に回ったとも言われ、25年間の支配的地位が変化しつつある。

 

Googleは、Geminiを検索エンジンや広告、Workspaceなどの各サービスに統合し、ユーザー体験の向上を図っている。これにより、従来の検索エンジンに代わる新たな情報取得手段としての地位を確立しつつある。AI技術を活用した新たな広告体験についても提供するだろう。今後、Geminiの進化とともに、Googleの広告戦略がどのように展開されるかが注目される。

 

「21. Expedia、米インバウンド低下にピンチ、カナダからの予約30%減少」が;

第1四半期の収益は299億ドルで、前年同期比で3%増加した。B2Cの収益は前年比2%減少して約19億6,000万ドルとなり、B2Bの収益は9億4,700万ドルに達し、前年同期比で14%増加した、と伝える。

第1四半期の純損失は2億ドルで、2024年の同時期の1億3,500万ドルから49%増加し、調整後EBITDAは16%増の2億9,600万ドルとなった。

 

業績が悪くないにも関わらずCEO Ariane Gorinが「feel a pinch」と言ったのは、アメリカ国内の旅行需要が鈍化し、特にカナダからの予約が大幅に減少するなどの影響を受けたため、一定の困難を感じているということなのだろう。

 

Expedia Group以外の1Q決算は、大なり小なり皆好決算を計上している。

14. Uber、第1四半期増収 自立運転自動車提携強化

総取扱高が14%増加し、約430億ドルになった。収益は14%増加し、約120億ドルになった。同社は、月間アクティブプラットフォーム消費者の14%の増加に起因して、旅行が前年比で18%増加し、30億件に達したと述べている。純利益は18億ドルで、調整後EBITDAは35%増の19億ドルであった。

「11. Sabre、航空予約低下とIT移行で第1四半期減収」

収益が1%減少し、7億7,700万ドルになった。営業利益は1億300万ドルで、前年比1%ポイント上昇し、純利益は3,500万ドルと報告した。第1四半期の調整後EBITDAは前年比5%増の1億5,000万ドルとなった。

「12. Tripadvisor:AI で旅行意図の強いトラフィックを照準」

Tripadvisor Groupは、2025年第1四半期の収益が3億9,800万ドルで、前年同期比で1%増加したと報告した。決算は予想を約1,000万ドル上回った。

同社は、第1四半期の調整後EBITDAは4,400万ドルで、総収益の11%を占め、第1四半期の純損失は1,100万ドルであると報告した。Non-GAAPの収入は2,100万ドルであった。

「15. Amadeus、世界的不安定の中で、第1四半期増益」

Amadeusは、2025年第1四半期の決算報告で、2025年に向けて「十分に準備されている」と述べた。同社のグループ収益は9%増の16億ユーロ、営業利益は前年比10%増の4億6,200万ユーロとなった。利益は前年比13%増の3億5,500万ユーロとなり、調整後EBITDAは8%増の6億2,800万ユーロとなった。

 

「トランプ関税」の関係で、2025年の旅行需要は、(きっと)悪い影響を受けるのではないだろうか。

 

「9. 航空会社、増収のためにオファー、オーダー、決済、配送をどのように活用するか?」は;

IATAの新流通能力(NDC)基準は、航空会社の販売方法を現代化するために2012年に導入された。IATAは、座席の販売ではなく、市場条件や購買パターンに応じて動的に生成される商品オファーが提供されることを目指しており、従来の運賃クラスや運賃の提出が廃止され、チケット、予約記録、追加料金が一つの記録に統合される。しかし、オファーとオーダーだけでは不十分で、決済とサービス提供の重要性も強調されているという。

航空会社は、Amazonのように「エンドツーエンド」の体験を提供し、すべてのオーダーを追跡できる能力を持つべきだとされている。Amadeusは、OOSD(オファー、オーダー、決済 Settle、提供 Delivery )を採用し、これにより旅行者体験を改善し、空港での文書確認をデジタル化する可能性があると述べている。

また、NDC導入は航空業界の経済状況や投資状況に依存しており、導入には時間がかかると予測されている。航空会社は、OOSDが収益向上につながると考えており、良い小売体験が繰り返しの購入につながると信じている。

 

A 地点から B 地点 までの航空機を利用した安全な旅行を提供するのが、小売よりも何よりも航空会社の絶対的使命だ。旅行者も、安全で定時にB地点まで行ければ、そして安ければ、ミニマムな要件は満たされる。ほとんどの航空会社が、同じ航空機を使って、ほとんど同じサービスをしている中で、差別化は根本的に難しいのが航空旅客輸送の商品だと考えてしまう。差別化と言ったって、そもそも航空会社の競争はそんなに激しくない。IATA加盟航空会社も300数十社だ。その中で、航空旅客輸送におけるパーソナリゼーションなんて本当に必要なのだろうか? 旅行者もそんなことを本気で求めていないのではないのか?

 

こんな疑問をIATAに質問すれば、きっと「差別化が難しいからこそ、OOSDが必要なのだ」と言われてしまいそうだ。

NDCは、ここまで来るのに10数年もかかっている。このペースだけは改善する必要がありそうだ。

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5月5日  

1. Speaker alert: Pepijn Rijvers of Viator

2. 北米航空会社、サイバーセキュリティとAI投資に注力

3. 新興企業の舞台:GuestOS、AI 駆動コンシェルジュ開発

4. 汚いデータから奇跡の実行まで - AIへのホテルのアプローチ​     閲覧数第1位

5月6日

5. 旅行者パターン変更と顧客ニーズ変化、旅行保険需要を促進

6. Vitruvian Partners、マルチモーダルツアー Great Rail Journeys 買収

7. 短いインタビュー:Zamna の Irra Ariella Khi

8. Sky Leasing、JetBlue Ventures買収

9. 航空会社、増収のためにオファー、オーダー、決済、配送をどのように活用するか?  閲覧数第5位

5月7日

10. スペイン2025:需要最高記録で新たな競争

11. Sabre、航空予約低下とIT移行で第1四半期減収          閲覧数第4位

12. Tripadvisor:AI で旅行意図の強いトラフィックを照準        閲覧数第2位

5月8日

13. 短いインタビュー:HomeToGoのBodo Thielmann

14. Uber、第1四半期増収 自律運転自動車提携強化

15. Amadeus、世界的不安定の中で、第1四半期増益

16. 注目CEO:GetYourGuide の Johannes Reck          閲覧数第3位

5月9日

17. レポート − シームレス決済:旅行体験 最初から最後まで高める

18. PhocusWire週間トラベルテック関連記事のまとめ

19. Speaker Alert: Adebayo Adedeji of Wakanow

20. NextTrip、300万ドルのクレジットライン確保

21. 旅行業界がGoogle Adsに引っ掛けられている理由(そしてそれについて何をすべきか)

22. Expedia、米インバウンド低下に愕然、米加予約1Qに30%減少   閲覧数第6位

2025年 4月第5週 の編集人コメント

 

印象に残った以下の4つの記事についてコメントしたい。

 

12. PricelineがAI近隣機能、Turoパートナーシップ発表

Pricelineが、AIを活用した「Neighborhood Edition」機能を発表した。この新機能は、ユーザーの個人の興味や「雰囲気」に合った地域(目的地)を見つけてくれる。そして、新機能立ち上げの理由として、「より多くの旅行者が地元の人のように時間を過ごすために“観光地から外れた場所”で地元の人たちのように過ごすことを好むようになっています」と言っている。

 

旅先の目的地で、地元の人たちのように生活してみたいと思っている旅行者は多く存在する。日本の大手旅行代理店でも、この需要に対応して、同一場所に1週間以上泊まる「長期滞在ツアー」を販売している。「Un-travelersになりたいtravelers」が多くなっているとレポートしている記事を、何処かで読んだことがある。

自分も、un-travelerとして花の都のパリに長期滞在したいとかねがね思っている。なかなか実行できないでいるのだが、その1番の理由は、旅の安全の確保が不安であるからだ。長期滞在中の病気やセキュリティー面での問題の発生がおっかない。Airbnbは、優秀なホストを多く抱えているのだから、この自分みたいなun-travelerの「安全」の面倒をみてくれる、そんな商品を作ってもらえないだろうか。

 

10. HomeToGo、AIフィルター立ち上げ

HomeToGoは、AIを活用した「AI Filter」を導入した。この新機能では、旅行者が自然言語で検索し、特定の条件に合ったバケーションレンタルを見つけることができるという。

 

この「AI filter」で、是非ともun-travelerの「旅の安全」を確保できるバケーションレンタルを見つけられるように欲しい。Un-travelerが安心して旅行できるような、安全面に配慮したサービスがあれば、さらに多くの旅行者が自分の理想的な旅行を体験できるのではないだろうか。前述の大手旅行代理店の「長期滞在ツアー」は、滞在先で24/7のなんでも相談できる緊急窓口を設置していたようだ。

 

8. GetYourGuide、AIツール立ち上げでショーイベント拡大

GetYourGuideは、新たにAIツールを導入し、ショーやイベントへの拡大を発表した。

これにより、旅行者はモバイルアプリを通じて特定の会場で座席を選択する機能が提供される。また、Cirque du Soleilやブロードウェイ、NBAなどと提携し、ライブイベントの予約も可能になった。さらに、ニューヨーク近代美術館やロンドンのテート・モダンなどとの提携で「All Art, No Crowds」という、混雑前に美術館を訪れる特別な体験も提供している。AIツールは、オペレーターがリスト内容の矛盾を修正し、より高品質な提供を支援するための新機能も含まれている。

 

GetYourGuideは、ショアーやイベントのチケット販売にも事業を拡大している。ならばこの流れで、ショーやイベントの人気アーチストの「追っかけ旅行」を企画してみたらどうだろうか。熱烈なファンたちは、「推し」のアーチストの追っかけ旅行ツアーにきっと参加するだろう。

そんなことをあれやこれやと考えていたら、エンタテインメントに付随する観光旅行ビジネスに取り組んでいたエイベックス・トラベル・クリエイティブ(ATR)の存在を思い出した。調べてみると、ATRは、2020年6月にエイベックス株式会社およびその子会社であるエイベックス・デジタル(ADG)に対して、観光旅行ビジネスの各事業を譲渡し、同年9月1日付で解散および清算されたことが分かった 。「追っかけ旅行ツアー」は、難しそうだ。

 

19. Hotelworldの 旅行者をつなぐためのソーシャル戦略

Hostelworldは、若年層をターゲットにしたソーシャル戦略を強化し、旅行者同士のつながりを促進している。新たに「グローバル・トリップ・プラン・マーケットプレイス」を導入し、ユーザーが旅行計画を共有し、他の旅行者と接続できる機能を追加した。このデータはAIプラットフォームと統合され、旅行者同士をマッチングし、アクティビティや体験を提案する。また、ユーザーが作成した投稿を再投稿し、インフルエンサーとも連携してコンテンツを作成する方針だ。

 

この「グローバル・トリップ・プラン・マーケットプレイス」は、SNSを活用した旅行会社、「トリッピース」(2013年創業)を思い起こさせる。調べてみたら2023年10月末でサービスを終了していた。SNSトラベルも、事業として永続させるのは、かなりの難しさが伴いそうだ。

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4月28日

1. Speaker alert: Mauricio Prieto at Phocuswright Europe

2. 新興企業の舞台:SuiteOp、短期レンタルとホテル自動化支援を欲する

3. Marriott、3.55億ドルで CitizenM 買収

4. 持続可能な旅行を促進する上でのテクノロジーの役割         閲覧数第3位

4月29日

5. Expedia Group、いくつかの部門を再構築              閲覧数第4位

6. Lighthouse、Data-as-a-Service プラットフォーム立ち上げ

7. Sabre、ホスピタリティ事業を11億ドルで売却

8. GetYourGuide、AIツール立ち上げでショーイベント拡大       閲覧数第1位

4月30日

9. Speaker Alert: Shilpa Ranganathan

10. HomeToGo、AIフィルター立ち上げ

11. Trivago、第1四半期好決算を受けて、通期ガイダンスを上方修正

12. Pliceline がAI近隣機能、Turo パートナーシップ発表

13. Booking Holdings、期待以上の安定成長             閲覧数第5位

5月1日

14. Holidu、バケーションレンタル Finca Mallorca 買収

15. 短いインタビュー:Björn Bender, CEO of Rail Europe, 

16. Casago の Steve Schwab が Vacasa の最終決定と今後を語る   閲覧数第2位

5月2日

17. Speaker alert: Sean Fitzpatrick of Lighthouse

18. 今週の PhocusWire Daily のトラベルテック記事

19. Hotelworld の 旅行者をつなぐためのソーシャル戦略

20. 「不確実な」時代の中で、Airbnbは玉虫色の財務結果を報告     閲覧数第6位

2025年 4月第4週 の 編集人コメント

「10. DMOは、目的地の認識の変化にどのように対処できるか?」は、

トランプ政権の政策や関税、移民規制が影響して米国インバウンド旅行者数が減少していることが伝えられている。3月の米国への空路インバウンドは、前年同期比で11.4%減少し、メキシコからのインバウンド航空旅行は23%近く減少した。Tourism Economicsは、貿易戦争がさらに拡大すれば、米国へのインバウンド旅行者数が12.7%減少すると予測している。

 

このような悲観的な予測にもかかわらず、この記事では、米国のDMOsが、米国旅行の魅力的なストーリーを発信し、ポジティブな情報を提供すればインパクトは防げるというような楽観的なことが示されている。しかし、現実的にはその影響を完全に軽減するのは難しいのではないか。実際、例えばカナダでは「アメリカン」というコーヒーの名前を「カナディアーノ」に変える動きが見られる。また、中国の文化観光省は9日、米国を訪れる自国民に対して渡航リスクを十分に評価し、慎重を期すよう呼びかけている。トランプ米政権が同日発動した相互関税に関連し「中米経済貿易関係や米国の安全情勢の悪化」を理由として挙げている。(日経 4月10日)

 

このような背景を考慮すると、米国インバウンドの減少分が、他国に流れる可能性が高く、日本を含む他の目的地がその恩恵を受けることが予想される。

 

話は変わるが、この「編集人コメント」をまとめた本「世界の旅行流通 2024年」を発行することになった。2024年の52週分のコメントに加えてPhocusWire Dailyの主要ニュースの短い要約を収録し、巻末には用語集もつけている。

A5サイズ、ソフトカバー付き355ページで、1,850円、6月初旬に発売予定だ。内容は、トラベルテック、特に生成AIの、旅行への応用について。誰でも一読で理解できるようにまとめた。世界のトラベルテックの“今”と“これから”を一冊で把握できるにようになっている。表紙のでデザイン案を添付した。

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4月21日

1. スタートアップの舞台:ホテルデータAI、効率とオンライン可視性改善

2. 短期レンタル:分岐点にあるカテゴリー                 閲覧数第4位

3. 信頼のプロトコル:世界旅行市場におけるリスクと評判を再考する     閲覧数第6位

4月22日

4. 70%の世界中の旅行者が、目的地でVRを欲しがる

5. 米FTC、Uber 提訴 サブスクの解約難しく

6. 収入管理ソフトウエア IDeaS、マーケティングソリューション立ち上げ

7. サステナブル旅行における有言不実行のギャップを橋渡しする        閲覧数第2位

4月23日

8. ホテル決済管理プラットフォーム ROH、920万ドル調達

9. Trainline、鉄道とバスのチケット販売 Trenes.com 買収

10. DMO は、目的地の認識の変化にどのように対処できるか?       閲覧数第1位

4月24日

11. InterLinked、オンラインカーレンタルのマーケットプレイスと提携

12. 短いインタビュー:BlaBlaCar の Florent Bannwarth

13. コンテンツクリエーター、旅行ブランドの新規採用 支援方法        閲覧数第5位

4月25日 

14. 登壇者案内:Phocuswright Europe 会議の Gillian Tans

15. 旅行が目的地に与える影響に対する消費者の認識が高まる

16. PhocusWire の 週間トラベルテック記事のまとめ

17. 現代旅行代理店 Fora Travel、6,000万ドル調達

18. ツアーやアクティビティ部門は自律的な体験に変わるか?        閲覧数第3位

2025年 4月第3週 の 編集人コメント

AIの選び方、AIの利用法、AIへの対応ベストプラクティスについて、AIに関する指南書ともいえる以下の3つの記事があった。

3. 属性ベースの販売が勢いを増している理由

7. 旅行ビジネスの適切なAI モデルの選び方

16, 人間の最適化に20年:今がAIのために最適化する時

について、それぞれコメントしたい。

 

3. 属性ベースの販売が勢いを増している理由

人工知能(AI)が、現在、ホテルが直接販売を増やすための属性ベースの販売の採用を加速しているという。

属性ベースの販売の他に、ホテルの収益向上には、アップセル、アンシラリー販売がある。属性ベース販売が、部屋の特徴(バルコニー、階層、部屋の大きさなど)を個別に販売する方法に対して、

アップセルは、ゲストが予約した基本的な部屋よりも高価なオプション(例:より高ランクの部屋やスイート)を提案して、より高額なプランに誘導する販売手法である。

アンシラリー販売は、部屋の提供を超えて、追加サービス(例:スパ、食事、アクティビティ、専用サービスなど)を販売する方法である。これは、宿泊以外のサービスで収益を得ることを目指す。

属性販売は、ゲストが特定の好みに基づいて選べるようにすることで、部屋の基本的な価格以上に追加収益を得ることを目指す(二桁%の増収が期待できるという)。要は、ゲストが部屋自体を「カスタマイズ」する形である。

ボテルが、パーソナライズを提供できるので、客室販売の収入増加に加えてホテルの直販を増やすことができるという一石二鳥の販売手法だ。

 

話は、本題から少し外れるかもしれないが、この記事を読んで、日本のOTAのサイト(プラットフォーム)では、所謂「プラン」が存在することが思い浮かんだ。

プランは通常、宿泊日程、食事の有無、特典(例えば、早割やキャンペーン)などのパッケージとして提供されることが多い。これは主にゲストが部屋の価格に加えて、追加サービス(食事や施設利用など)を選べるようにするもので、アンシラリー販売に近い要素を持っていると言えるだろう。z

 

かつて外資ホテルの人から「日本のOTAは、なぜそんな細かなことを聞いてくるのか理解でいない」とクレームもどきの話を聞いたことがある。日本では、プランを作るために細かい情報が必要なのだ。

プランは、属性ベースの販売とは直接的に一致しないと言えるが、ある意味では複数の要素を組み合わせて収益を得るという点では類似性もある。ただし、プランが多すぎてサイトの見栄えが悪くしてしまうという問題がある。プランに加えて属性販売を導入したら、日本のOTAのプラットフォームは、もっと見栄えが悪くなってしまうだろう。

 

7. 旅行ビジネスの適切なAI モデルの選び方

AI技術の進化により、旅行業界でのAIモデル選択が複雑化している。2023年はOpenAIのChatGPTが主流であったが、その後、AnthropicやGoogleのGemini、DeepSeekなどが登場し、競争が激化し始めている。モデルの選択は、利用ケースによって異なり、例えば、膨大なデータを扱う場合には、大規模言語モデル(LLM)のGoogleのGeminiが有利だという。

 

複数のAIモデルを使用すること、選定基準を明確にすること、常に最新の技術に対応すること、そして柔軟で防御力のある戦略を採ることが重要だと示唆されている。Booking.comは、複数のAIモデルを使用:OpenAI、Anthropic、Google、AWSなど複数のパートナーと協力し、各使用ケースに最適なモデルを選択肢している。

大規模言語モデルの他には、予測分析、画像生成、コード生成、開発支援などのAIモデルや技術が存在する。企業は、コストや機能性を考慮し、最適なモデルを選び、柔軟に切り替える必要がある。新しいモデルが頻繁に登場するため、業界は迅速な対応が求められている。

 

16, 人間の最適化に20年:今がAIのために最適化する時

旅行業界のウェブサイトは、Googleなどの検索エンジン向けに最適化されてきたが、AI(大規模言語モデル)によるコンテンツのインデックス化や処理方法は異なる。AIはJavaScriptやスキーマを無視し、テキストベースでコンテンツを処理する。AI向けに最適化するためには、サイトを簡素化し、ブランド名を多く使うFAQセクションを作るなどの対策が必要となる。また、AIの可視性を高めるためには、従来のSEOに加えて新しいアプローチが求められている。早期にAIに対応したブランドが、今後のAI主導の旅行エコシステムで有利になるという。

 

検索方法が確実に、劇的に変わりつつある。目的地、旅行日、人数を検索ボックスにテキストで入力する方法から、自然言語(NLP = Natural Language Processing)に取り替えられている。NLPでは、よりきめ細かな検索を可能にするので、パーソナルな旅行提案も飛躍的に向上するだろう。

冒頭の属性販売の記事でも、「パーソナライズを提供できる」と言っていた。先週の「11. AI とビジュアル検索が旅行発見方法をいかに再構築するか」も、今後は「見る→探す→予約」が主流となると言っていた。

(編集人)

4月14日

1. HostAI が Condujit になって310万ドル調達

2. BizAway、Aervio 買収で旅行管理テック提供を後押し

3. 属性ベースの販売が勢いを増している理由                 閲覧数第1位

4月15日

4. レポート:短期レンタルゲストのトレンド・洞察・研究

5. Sonder、Marriott との統合を前にレイオフを含むコスト削減

6. CloudBeds、イノベーション発揮のためのラボ開設

7. 旅行ビジネスの適切なAI モデルの選び方                  閲覧数第5位

8. 

4月16日    

9. 旅行会社のオペレーションに対するAIインパクト

10. ラ米法人旅行スタートアップ Onfly、4,000万ドル調達

11. Lighthouse、The Hotel Network 買収でマーケティングテック追加

12. CEOスポットライト、HotelPORT の Fred Bean             閲覧数第3位

4月17日

13. LIH、ミュンヘン空港T2にロボット

14. Fliggy、AIアシスタント AsakMe 発表

15. Lyft、ライドヘイリング FreeNow を 1.75億ユーロで買収して欧州市場へ

16, 人間の最適化に20年:今がAIのために最適化する時            閲覧数第2位

4月18日

17. 今週の PhocusWire トラベルテック記事のまとめ

18. 日本拠点キャビンステイスタートアップ、オーバーサブスクライブのプレシード資金確保

19. ルフトハンザグループの Olaf Backofen 短いインタビュー

20. Amadeus Google 提携、航空第ナミックプライシング支援         閲覧数第6位

2025年 4月7日の週の編集人コメント

以下の4つのAI関連ニュースが必読だ。

 

4. AI が、洞察とアクションの間のギャップを埋める方法」が、AIは、特に初期段階では「自動化」より「拡張」型の導入が効果的であるといっている。そして、拡張と自動化(augmentation and automation)を区別することは、有用な最初のステップだという。拡張とは、AIを使用して既存のワークフローやプロセスを強化し、多くの場合、実在の人物と同期することである。自動化とは、これらのプロセスが完全にAI [モデル]にアウトソーシングされ、人間の関与を最小限に抑えたい場所だという。

AI導入が目的ではなくて、何のためにそれを導入するかをしっかり考えなければいけない。当たり前の話だが、AI化は目的でなく手段なのだ。

 

また、CRMやAPIと連携させることで、部門横断的にシグナルを共有し、業務効率と連携を向上させる。専門パートナーとの協業により、目的に応じた最適なAIモデル選定と素早い導入が可能と解説する。

(この記事は、AI駆動の販売と顧客サービスAIntensifyのCEO兼共同創立者が書いているので、「専門パートナーとの協業」というのは、多分にセールトークに聞こえる。だからと言って、この手の記事は、軽視することはできない情報を提供する。)

 

先週の「3. 旅行エージェントからAIオペレーター、成長続ける航空検索トラフィック」が、航空券1枚の販売に対する検索回数(L2B)は、現在の2万回から生成AIの普及で20万回に達する可能性があると指摘しているので、API接続される側にも、AI検索してもらわなければならないので、それ相応の工夫が必要となる。

 

細かい話で恐縮だが、L2Bは数式で表せば、販売(予約)数 ➗ アクセス数

となる。コンバージョン率(CVR)は、販売(予約)数 ➗ アクセス数 と全く同じである。にもかかわらず呼び方が異なる。「視点」(使う人)と「用途」(目的)が誓うからだ・

L2Bは、サーバー負荷、API最適化、コスト管理、すなわち効率のコスト感覚

CVRは、サイト改善、広告効果測定、すなわち「何%成功したか」の感覚

と整理される。

11. AI とビジュアル検索が旅行発見方法をいかに再構築するか」旅行のきっかけは昔からビジュアルが重要で、現在はAIと画像認識技術により「見るだけで検索・予約」が可能になってきた、と伝える。
Google LensやCircle to Searchなどの視覚検索が急成長し、若年層の主流手段になっているそうだ。MarriottやLandfolkなども、言葉ではなく「感覚や雰囲気」で宿泊先を探せるAIツールを導入。Videreoは旅行動画を解析して即購入できる「ビジュアルコマース」に進出と、画像検索のツールが増えている。
課題は動画UXの未整備と偽画像リスクだという。目に見えない「コト販売」の旅行商品は、今後は「見る→探す→予約」が主流となり、視覚検索は旅行テックの中心になりそうだ。ChatGPTに具体的な方法を尋ねたら、以下の4つを回答した。

① Google LensやCircle to Searchを使う場合(スマホでの例)

  • Google Lens

(1) スマホで気になる建物や風景の写真を撮る、または画像を表示する

(2) Google LensアプリやGoogleフォト内のLens機能でその画像を選ぶ

(3) 画面に表示される場所の名前や関連リンク(観光情報・ホテル)を確認

(4) 必要に応じて、そこから予約サイトに飛ぶ

  • Circle to Search(Google PixelやGalaxyなど対応端末)

    1. SNSやウェブ上で気になる動画や画像を見つける

    2. 指でその部分を「囲む」「タップする」などの操作

    3. 自動でGoogle検索が実行され、場所や商品情報が表示される

② Daisy(Landfolkの例)

  • 特定の場所や建物の名前を入れる代わりに、
    「こんな気分の場所がいい」「この景色で目覚めたい」など、
    感覚的なフレーズを入力すると、AIが画像をもとに最適な宿泊先を提案してくれる。

③ Videreo(動画を検索する場合)

  • インフルエンサーの旅行動画を視聴中に、
    画面内に映る観光地やホテルを自動で認識して
    「この場所に泊まる」「このツアーに参加する」といったリンクが出てくる。

検索が会話型となり、その一方でビジュアル型となっている。そして、こうした新しい検索体験を支えている技術こそがAIであり、変革の“イネイブラー”と言える。次のトロント政府観光局の記事にも書いてあるとおり、ますますパーソナルな旅行体験を提供し、完璧旅行の実現が進んでいる。

画像検索は、主にタビマエの旅行計画の段階、タビナカではリアルタイムで動くAR(拡張現実)となるのだろうか?

 

8. Destination Toronto、AI アシスタント6ix 開発

Destination Torontoは、AIチャットアシスタント「6ix」を導入し、旅行者の質問にリアルタイム対応。現在は主にウェブ上で利用されているが、InstagramやWhatsAppなどのSNS連携での活用拡大を目指す。利用者の具体的な質問から新たなコンテンツ戦略を構築中で、今後は会場や施設との連携や、行動データの分析も進める方針。AI導入は組織全体での活用も視野に入れている。

 

DMOは、財政難であると聞いているので、AIアシスタントの開発費費をどのようにして工面したのだろうか? 地方政府の補助金、観光税、共同開発事業者からの出資、などから資金を捻出したのであろう。利用者の会話から情報をかき集めて、パーソナルな観光体験を提供するという計画が素晴らしい。

 

同じことを、メタサーチがやっている。「18. Kayak、旅行検索 新AI ツール立ち上げ」。

KayakはAI専用の実験サイト「Kayak.ai」を公開し、リアルタイム価格での会話型検索などをテスト開始。旅行者の意図をより深く理解し、パーソナライズされた検索結果を提供する狙いだという。  

将来的には、旅行習慣を学ぶAIエージェント化も目指す。「Ask Kayak」や画像認識による価格比較など、AI活用はすでに進行中である。

 

トロントの6ixやKayak.aiは、AIアシスタントである。つまり人の指示で動く情報提供やタスクの補助をしてくれる受動型である。それに対してAIエージェントは、自ら判断して動く、複数のタスクを連携した自律的に実行する能動型である。

旅行業界におけるAIアシスタントとAIエージェントの開発スピードは、今週のニュースにもあった通り、今、 アシスタント型が急速に普及しつつあり、それを土台にしたエージェント型への移行が水面下で加速している状況だ。

(編集人)

4月7日

1. Mondee、買収されて破産法11条離脱

2. Phocuswright Europe 2025、次世代の旅行を形成             閲覧数第4位

3. ホスピタリティテック SuiteOp、300万ドル増資で開発加速

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4月8日

5. レポート:旅行会社をカスタマージャーニーに合わせる

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4月9日

9. 会議とイベント HeadBox、300万ポンド調達

10. Diamo、小規模ホテルの収入管理支援で400万ドル調達

11. AI とビジュアル検索が旅行発見方法をいかに再構築するか          閲覧数第1位

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12. 短期レンタルの代替収入拡大への道

13. MSC と Vision-Box 提携、バイオメトリックスでクルーズ体験合理化

14. Duetto、ホテルベンチマーキング HotStats 買収

15. 投資家たち、旅行企業の上場について語る                 閲覧数第3位

4月11日

16. PhocusWire Daily の今週のトラベルテックニュースまとめ

17. サステナビリティ旅行管理 Goodwings、300万ユーロ近く調達

18. Kayak、旅行検索 新AI ツール立ち上げ

19. バケーションレンタルテックの投資・買収・オーガニック成長        閲覧数第6位

2025年 3月第5週・4月第1週 の 編集人コメント

 

7. Googleのツアーやアクティビティのプッシユ、OTAにペナルティを課す可能性があるか?」が、衝撃的なことを伝えている。

Googleの検索結果からOTAの露出が激減:「TripAdvisorなどの大手OTAのオーガニック検索結果が“ほぼ消滅”した」との指摘。

Google Things to doが地元事業者を優先表示し、直接予約を促進。結果として、OTAを「迂回」する流れが生まれているといっている。

これは、体験業界のことで、航空やホテルのトラベルサプライヤーの場合ではない。しかし、これらのサプライヤーだって、Googleが体験の場合と同じようにダイレクトするのだろう。

 

OTAは、積極的にAIエージェントを開発して、AIによるスクロールを増やしユーザーの取り込みを図っている。はて、Googleなのか、OTAなのか、両者のAI開発戦争が始まったとみるべきなのか。

そんなことになったら、Googleは、虎の子のOTAから得ている宣伝費をなくすことにならないか? 混沌としたAIの世界は、皆目想像がつかない。

 

Googleが体験予約で行っているように、ホテルや航空の検索結果でも“直接事業者”の表示を優先し始めている。

ホテル検索では、Google Hotel Adsに参加している宿泊施設が、自社予約エンジンへのリンクを上位表示できるようになっている。特にGoogleビジネスプロフィールを活用していれば、OTA経由よりも目立つ場所に“公式サイト”リンクが表示される場合もあるという。

航空検索(Google Flights)ではすでに複数年にわたり、航空会社の公式サイトへのリンクをOTAよりも上位に出す動きが加速している。

つまり、Googleが航空・ホテルでも「公式直販への導線」を強化しており、OTA経由の誘導が減る可能性があるという。

 

その航空検索については「3. 旅行エージェントからAIオペレーター、成長続ける航空検索トラフィック」が、さらに解説している。

航空券1枚の販売に対する検索回数(L2B)は、現在の2万回から生成AIの普及で20万回に達する可能性があると指摘されている。これはAIが人間の代わりに大量かつ24時間検索を行うためであり、航空会社のITシステムには大きな負荷がかかる。従来のAPI方式では対応が難しく、新たな検索技術への移行が急務。さもなければ、クラウド費用や環境負荷が増大し、業界にとって大きな課題となるといっている。

 

しかし、「11. 高度なオファーとオーダー戦略を持つ航空会社は3社に1社未満」が、

「NDC(新流通規格)は進展しており、航空会社の3社に2社が導入中。

しかし『オファー&オーダー変革』は遅れており、実質的な取り組みをしているのは全体の27%にとどまる。約半数の航空会社は、まだ戦略すら策定していない」といっている。

こんな状況で、AIの急速な進化に業界は追いついていけるのだろうか?
そう懸念せざるを得ない。航空会社の対応の遅さに、もどかしさを感じる。

航空業界のコンサルタント会社 Atmosphere Research Group の社長 Henry Harteveldt はこう述べている:

「これは、オファー、オーダー、決済、サービス、実行(delivery)など、小売業が関わる可能性のあるさまざまな側面を見渡し、どの組織や部門、機能が影響を受けるかを把握するジャーニーマッピング演習のようなものだ。テクノロジー面の影響も含めて、計画が重要だ。なぜなら、計画が甘ければ実行もうまくいかないからだ。」

 

このコメントは、かつて私がコネクテッドトラベルで「旅程のエンドツーエンドのすべての痛点を書き込んだ設計図を作れ」と書いた編集人コメントと見事に重なる。
私たちは“旅の担い手”である。ジャーニーマップの作成は、むしろ得意なはずではないか。

 

なお、「16. 関税の影響に対する旅行の備え」では、2週連続でトランプ前大統領による関税不況の到来を予想している。

3月31日

  1. インド旅行市場新記録、OTA がスーパーAppイノベーション牽引

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  3. 旅行エージェントからAIオペレーター、成長続ける航空検索トラフィック                          閲覧数第2位

4月1日

4. レポート:関連性は、旅行の持続可能な成長を解き放つための鍵

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7. Google のツアーやアクティビティのプッシユ、OTAにペナルティを課す可能性があるか?    閲覧数第1位

4月2日

8. Unravel、シリーズAで700万ドル 調達

9. AI不動産管理プラットフォーム JURNY が「実質的な」投資を受ける

10. 旅行者は体験を優先、業界もそうすべき

11. 高度なオファーとオーダー戦略を持つ航空会社は3社に1社未満            閲覧数第4位

4月3日

12. 企業ゲスト旅行スタートアップ Juno、200万ドル調達

13. Scapia、トラベルフィンテックで4,000万ドル調達

14. 注目CEO:IBS SoftwareのSomit Goyal                      閲覧数第3位

4月4日

15. PhocusWire。週間トラベルテック記事まとめ

16. 関税の影響に対する旅行の備え

17. Vrbo、マーケティング技術を通じて、より大きな旅行者のターゲティングを計画    閲覧数第5位

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