TD勉強会

旅行流通(Travel Distribution = TD)に関する世界のニュース集
 
新着情報

​2020年9月7日号 編集人コメント

最近、VIDEOやポッドキャストの記事が多く見つかる。今週号ではPhocuswright欧州オンライン会議が始まった所為もあり7つ(VIDEO 4+ポッドキャスト3)もあった。デジタル通信の形態がますます多様化しているのだからこの傾向は当然のことだが、外電ニュースを意訳して和文の情報を編集している身にとっては、動画を含めた音声ニュースにはどうにもこうにも困ったことになる。さりとてこれだけ多くなってくれば無視することもできないので、これからは音声の前段の活字による記事紹介部分の訳を掲載することとした。

 

今週号では「9. コロナ後に、旅行業界のグーグル依存が弱まるか」に注目したい。OTAビッグ2のExpediaもBookingも、2社合計で年間1兆円以上の広告費を支払っているので、流通コストの安いダイレクト予約増加を最優先したがっているけれども、どうしてもGoogle依存を断ち切れないようだと書いてある。その上コロナ危機が、さらにGoogle依存に拍車をかける可能性なしとしないと言う。Google Chromeは、2022年末までにサードパーティのクッキーを段階的に廃止する。この記事はこれを「クッキー アマルゲドン」と言って、そうなればGoogle依存がさらに進むと予想する。Appleだって、iPhoneなど自社プロダクト上のターゲティング広告を2021年はじめに禁止する(サードパーティークッキーを廃止する)。

 

そしてこの記事は、Googleから逃れる方法は、唯一、競争監視当局による巨大IT企業規制しかなさそうだと言っている。Google離れする最も効果的な方法は、コンテンツを充実させてユーザーにブランドを認知してもらいダイレクトトラフィックを増やす方法、つまりマーケティングの基本そのものにあるのではないだろうか。分かったようなことを言うな!そんなうまいことができないでいるからこそGoogle依存を続けているのだ!とご叱声を浴びてしまいそうだが、Airbnbでは見事にそれを実行しているじゃないか。革新的なプロダクトを開発して、しっかりとブランド認知してもらっているからじゃないのか。そのAirbnbが、ブロックバスターの上場を年内に予定している。

​2020年8月31日号  編集人コメント

「5. エアビー上場」で、国内旅行市場における代替宿泊施設需要の回復が早く、8月のAirbnbの予約が前年同期を上回る可能性があると伝えている。そのようなことが現実となれば、年内に予定されている上場はブロックバスターIPO(超大型IPO)になる可能性があるという。尤も、依然としてデカコーンであることに変わりがないが、企業価値は180億ドル(約1.8兆円)に40%も減少しているのだから上場株価がいくらになるかが問題だ。Airbnbは希望価格を未だ開示していない。

 

コロナパンデミック危機にも関わらず、4月~6月期の米国GDPが過去最悪の32.9%減(日本のGDPは27.8%と戦後最大の下げ)となったにも関わらず、NASDAQコンポジットは過去最高を示している。PhocusWire Dailyの資金調達ニュースも、今週は珍しく見当たらなかったが、毎週かなり多くの新興企業に対する投資の連続を伝えている。金融市場のジャブジャブな資金のだぶつきを指摘してコロナバブル崩壊を予想しているアナリストたちも存在するものの、当面はそんなに上場環境は悪くないのかも知れない。ましてや代替宿泊施設市場の早期の大幅回復が見込まれるとなれば、コロナ終息後の一攫千金を狙う投資家たちが群がらない理由はどこにも見当たらない。

 

3月頃は、プロフェッショナルな衛生管理に不向きな代替宿泊施設よりも、衛生管理が行き届き清潔なホテルの方が好まれると予想されていたが・・・、旅行者はソーシャルディスタンスが維持できないホテルを嫌っている。ホームシェアのホストでさえも衛生管理プロトコールをしっかり遵守し、予約から次の予約までの間に少なくとも24時間のインターバルをとるなど、徹底した施設の消毒作業を実施しているという。パンデミックが世界に拡散し始めた頃、「これでABBに勝てた!」とばかり欣喜雀躍したホテル業界の喜びは、一瞬のぬか喜びに終わってしまった。

 

どうやら世界の旅行者はコロナの影響で、近場の国内旅行を優先させているようだ。そして、ソーシャルディスタンスが維持できる、ホームシェアリングやバケーションレンタルをホテルよりも好んで予約している。満タンで給油なしの往復ドライブ旅行ができて、人気があまりない近場の目的地が選ばれている。そして超間際予約の増加と滞在期間の長期化傾向が強くなっているという。旅行者は、ソーシャルディスタンスに神経質になっている。だから、米国では、ソーシャルディスタンス維持が難しい航空便の1日当たりの利用者数が、前年同期比30%程度に“底ばい”してなかなか増加しないのだろう。

 

 

 

 

 

(出展:US TSA checkpoint travel numbers for 2020 and 2019、8月27日までの実績)

「2. TJウェアラブルで旅行需要喚起」、「3. TJ グーグルのホテルコンタクトレス」、「7. 個人認証コンタクトレステック新興企業」の3つの記事は、非接触テックに関する記事だ。コロナパンデミックでこのテックの開発が進んでいるという。要すれば、これらのテックによって感染者を簡便迅速に特定し可視化して、非感染者だけに移動の“グリーンパス”を付与すれば良いわけだ。そうすれば、きっと旅行者を安心させることができるのだから旅行市場のV字回復だって期待できることになる。

 

ゆくゆくは、個人情報を格納したチップが体に埋め込まれ、パスポートや各種のIDカードなどの携行の面倒がなくなり、もちろん感染症予防対策も確立されて、健康状態をリアルタイムで把握するウエアラブルなウオッチが開発され、そのデバイスがユビキタスのパーソナルな執事やコンセルジュのアバターにもなって、何から何まで世話してくれるハッスルフリーの近未来がやってくるのだろうか・・・と想像してしまう。

 

それがニューノーマルとなる未来では、移動や旅行は全て自律型(自動型ではない)のマイカーやマイボートやマイプレーンとなるかも知れない。その時代では、間違いなくツーリズムが不動の世界最大産業となる。人類にとって、移動は社会生活における根元的な要求だからだ。そのツーリズムは完全SDG対応型で、地球温暖化や観光公害にも配慮したサステイナブル・ツーリズムとなるだろう。

2020年 9月14日号 編集人コメント  NEW 

「6.&7. パンデミック後のグーグル付き合い方 パート1 & 2」は、ホテルのオンライン販売ではGoogle依存が不可欠だと断言する。だから、Googleのトラベルエコシステムを賢く利用しろと説く。しかし困難なこの時期には、Google Ads、Google Hotel Ads、およびGoogle Display Networkで新しいゲストを獲得するための精巧で高価なパフォーマンスマーケティング・キャンペーンを開始するのは問題外だと指摘する。そして危機後のマーケティング戦略の目標は、最小の予算で最大の利益を達成することだとし、その利用方法を詳しく解説する。Googleにこんなに多くのツールが用意されているとは驚いた。これだけ多くを取り扱って、オンライン販売を最適化するためには、なるほど、この記事が言っている通り、提携するアドエージェンシーにはGoogle認定スタッフが必ず必要だ。

 

この他、今週の記事の多くがパンデミックをテイクチャンスとして、この際、積年の積み残しのテック開発に取り組めと言っている。

「10. 航空会社の旅客不満対応」は、便の欠航や遅延などのスケジュール混乱時の航空会社の対応がなっていないと責めている。苦情の大半が、航空会社のコミュニケーション能力とチケットの再予約プロセスに関係しているのだから、このプロセスの効率化や自動化に取り組む必要があるというのだ。これは、トラベラージャーニーの最大の痛点(ペインポイント)の一つでもある。

 

「16. 航空会社プライシングは何が間違っているのか」は、レガシーかつ複雑な運賃システムを長年ずっと温存している航空会社の怠慢を責める。片道運賃の単純な合算方式にすればシステムの負荷が飛躍的に改善し、さらにはNDC開発にも貢献すると言っている。難解な現在の運賃計算システムを解読して、第三者サイトで運賃表示をする為に、航空会社は手数料を支払ってGoogle Flights(元ITA Software)を使用している。ここでもGoogleに依存しているとは・・・。Southwest航空は、すでにシンプルな運賃計算方式を導入している。

 

「22. パンデミックを利用して法人旅行のイノベーションを起こせ」は、『デジタル化されたエンドツーエンドのソリューション、または旅行の予約方法を真に反映した出張予約システムはどこにあるのか?』と嘆く。

 

「23. サイロ壊して、ホテル商業的成功再定義」は、イールド管理部門とオペレーション部門の間のバリヤーを取り除き(サイロを壊して)両者間のリアルタイムの協調が必要だと説く。特にパンデミックの危機下ではそれが必須だと説く。

 

これらの記事は、遅れているテック開発に取り組めと言うが、さりとて「1. (TJ). デルタ航空、NDC開発一時停止」のように、テック開発の一時停止に追い込まれた企業も存在する。パンデミックによって、収入の大半が蒸発してしまっているのだから、金のかかるテック開発を継続する余裕などほとんど無いのが現実なのだろう。こんな大変な時期だから、一部の航空会社が流通戦略を再考するのは当然だが、『それでも、Air France-KLMがAmadeusとのパートナーシップ契約を通じてNDCを追求する計画を発表するなど、他の企業は引き続きNDCの道を歩んでいる。』

 

いずれもかなり長文の記事であるが、辛抱して読む甲斐があるニュースだと思われる。

海外事情 2020年 9月 14日号   NEW
海外事情 2020年 9月 7日号

1. (TJ) 法人旅行新興企業トリップアクションの新サービス

2. (TJ) デルタ航空、NDC開発一時停止

3. VIDEOイノベーションローンチEMEA: MeetingPackage

4. フォーカスライト欧州会議プレビュー SITA欧州社長

5. ホテルは、星の数より衛生評価が重要

6. パンデミック後のグーグル付合い方 パート1

7. ホテルは、星の数より衛生評価が重要パンデミック後のグーグル付き合い方 Part2

8. VIDEO フォーカスライト欧州会議Summit Pitch挑戦者 Gamitee

9. フォーカスライト欧州会議プレビューLast Minute Group CEO

10. 航空会社の旅客不満対応

11. 目的地マーケティング、国内旅行中心

12.トラベルスタータップのパンデミック下の15の重要ポイント

13. フォーカスライト欧州会議プレビューUber for Business EMEAヘッド

14. VIDEO サミットピッチ挑戦者OCUS

15. Mondee、Rocketrip買収

16. 航空会社プライシングは何が間違っているのか

17. VIDEO サミットピッチ挑戦者 Prontopia

18. フォーカスライト欧州会議プレビューLIHアジア事業開発部長

19.私の足跡、エピソード41 : BlaBlaCar共同創立者兼CEO

20.コロナ終息後、業界の協業が絶対必要

21.直言:スタータップ生残りには支出削減マスト

22.    パンデミックを利用して法人旅行のイノベーションを起こせ

23. サイロ壊して、ホテル商業的成功再定義

24. 9月7日の週の資金調達  BookingKit

1. (TJ) 東南アのスーパーアプリのグラブがT&A追加   

2. InPhocus、エピソード21 (ポッドキャスト)

    旅行に行けない人のための旅行のインスピレーション

3. エアビー、衛生管理基準達成施設120万軒に

4. フォーカスライト欧州会議プレビュー、登壇者バルセロホテルCEO

5. コロナにおけるホテル収益最大化原則 

6. MCR、StayNTouch買収

7. フォーカスライト欧州オンライン会議 プログラム

8. フォーカスライト欧州会議プレビュー、登壇者AMEXGBT GM

9. コロナ後に、旅行業界のグーグル依存が弱まるか

10. フォーカスライト欧州会議プレビュー、登壇者Kei Shibata

11. 出張申請方法の変更

12. VIDEO新現実シリーズ Geotraveler Media創立者LolaÅkerström

13. フォーカスライト欧州オンライン会議プレビュー、登壇者Sarah Wan

14. スタータップステージ:ホテル非接触テックJurny

15. HotelRunner、RateFor買収

16. 私の足跡 シリーズ40  Ispirato CEO Brent Handler (ポッドキャスト)

17. 旅行業界の多様性の実行

18. VIDEO PCW会議Innovation Summit優勝者 Iomb

19. VIDEO PCW会議Innovation Summit優勝者(参加者チョイス)Hotelmize

20. VIDEO PCW会議innovation Launch優勝者(参加者チョイス)HalalBooking

21. InPhocusエピソード22 ― 異なる方法による旅行販売 (ポッドキャスト)

22. 直言:多様性について悩んでばかりではいけない

23. アトラクション業界のAI、地元旅行を支援

海外事情 2020年8月31日号  
  1. (TJ) オービッツ、LGTBQ旅行者マイクロサイト立ち上げ 

  2. (TJ) ウェアラブルで旅行需要喚起

  3. (TJ) グーグルのホテルコンタクトレス

  4. ホテルクレジット販売会社、ライバル買収

  5. エアビー上場

  6. レッドドアーズ、東南ア最大オンラインホテル管理&予約プラットフォーム

  7. 個人認証コンタクトレステック新興企業

  8. マーケ予算削減時のエンゲージメント促進

  9. eドリームオデイゴで、夏場の需要回復

  10. ホテルテック3社が合併

  11. 私の足跡 デスペガーCEO

  12. VIDEOシリーズNew Reality… : Fast Future CEO Rohit Talwar

  13. スケジュール混乱時の再予約サービス買収される

  14. フライトセンター、法人旅行に光明

  15. デジタル社員のジェンダーバランス

  16. シリーズ直言:ホテル空室の利用方法

 
旅行流通に関する世界の
ニュース集

TD勉強会は、フォーカスライトJapanが、旅行流通(Travel Distribution = TD)に関する世界のニュースを集めているサイトです。

記事の一部は、トラベルジャーナル誌(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD/海外事情」に掲載しています。このサイトには、TJのコラムに掲載された記事以外の記事を、TJ発行日の3日遅れで掲載しています。

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