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旅行流通(Travel Distribution = TD)に関する世界のニュース集
 
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​2020年7月27日号 編集人コメント NEW

「15. 7月6日と7月13日の週の資金調達ニュース」の中の、シリーズA投資ラウンドで1,500万ドルを調達した米Butler Hospitality社の“ghost kitchen”サービスが面白い。稼働率が低下したホテルのキッチンを利用して出前サービスを提供している。ホテルの建物はこのように、目指す事業分野の転換が比較的容易な資産なのだろう。航空会社の航空機は輸送以外に使えない。だからホテルは、先週号でも触れたように、より顧客のライフスタイルのニーズへの対応ができるのだろう。

 

また今週は、自社のプロダクトを宣伝する記事が多く見られた。「4. 法人旅行再開時の3つの備え」(Serco社)、「7. 航空会社旅客サービス、テック導入必要」(CHS社)、「14. 航空運賃支払いの5つのヒント」(Amadeus社)の3つだ。記事を通じて自社のテクノロジーを間接的に宣伝している意図はあまり歓迎できないものの、彼らのプロダクトが解決しようとしている業界の問題を分かりやすく丁寧に説明してくれているので、それはそれなりに為になり捨てたものではない。いずれの記事も、コロナ終息後には、ますますテックの導入が不可欠だと言っている。

中でも「7. 航空会社旅客サービス、テック導入」は、膨大な払い戻しの請求や苦情処理でてんてこ舞いの航空会社の顧客サービスに、AI装備のチャットボットなどのテックの導入が必要と言う。リアルタイムでインスタントな解決を要求する、待ってくれないデジタルネイティブの顧客にはこのテックの必要性が必須だと言うのだ。しっかりした顧客サービスを提供しなければ顧客のロイヤルティーを失ってしまうと言うのは頷ける。この記事は、『シームレスで、オムニチャネルで、リアルテイムの双方向の会話を提供できない航空会社は、市場から退場を余儀なくされてしまうだろう』と言っている。

​2020年7月20日号 編集人コメント

宿泊施設関連のニュースが多かった。その中で2つの短期レンタルのニュースが注目だ。しかし、どちらも短期レンタルの定義がイマイチ明確でない。短期レンタルと民泊(private accommodation)を同義語に用いているようだ。

どちらかといえば民泊にウエイトを置いた書き方になっている。レンタル市場では短期と言うよりも、パンデミックの影響により都市郊外の物件の長期レンタル予約が増加しているのだから、このような用語の混同は回避するべきだ。ただ、Private accommodationを“民泊”と訳すのも問題なしとしないかもしれない。

 

「1. (TJ) 短期レンタル市場の進化」は、ホテルがこの市場に進出、短期レンタル(民泊)がホテルに進出するハイブリッド現象が見られ、その究極は不動産事業との民泊(家具付き、居間付き、キッチン付き)の融合に進むと言っている。コロナパンデミックによって、ワーケーションやリモートワークが、この勢いを加速させていると説く。

 

「6. 短期レンタル、投資家たちの見方」は少々難解だ。一言で言ってしまえば、民泊市場は大きな投資価値が存在すると言っている。よく分からないのはAirbnbの評価だ。これを読んで、Thayer Venturesの社長Chris Hemmeterは、『Airbnbは次世代OTAになり得る』と言っていると理解したが、「11. OTA V2.0は業界外から始まる」は、このニュースを引用して、彼は『Airbnbは次世代OTAにはなれない』と言っていると否定している。矛盾していないのか? Airbnbでは、最近、予約が盛り返しつつあり、今年IPO計画復帰の話すら浮かんでいる。(NY Timesは、Brian Cheskyが7月15日の社員に対するビデオ会議で、年内IPOの検討開始を伝えていると報道している。)パンデミックで確かに一時OTA V2.0戦略後退を余儀なくされているけれども、Brian Cheskyの野望はそう簡単には決して衰えない。

 

短期レンタルの話ではないが「5. ラスベガスのホテル、テックホテルに変身」も、パンデミック対策として、ホテル企業が自社のプロダクトとのまったく新しい相互作用(interaction)を開発することにより、収益源を多様化してブランドロイヤルティを強化する必要があると言っている。セルフインベンションが何処でも今まで以上必要になっている。そしてテクノロジーがその触媒として欠かせないと言うことか。

 

「8. 日本、国内旅行市場回復」で、Savvy Collective浅生亜也代表取締役が『ホテルの未来は、ただ寝るだけでなく、美味しいものを食べる場所でもない。仕事を含め、人々のライフスタイルの一部としてホテルを利用することを考えている』と言っている。今週号の宿泊施設関連ニュースが言っていることと相通じるものがある。彼女は、旅行者にライフスタイルを宿泊先まで持ち出す“ライフスタイル ポータビリティー”(この言葉が良い!)を検討している。

​2020年7月13日号 編集人コメント

今週は、正直あまり面白いニュースは見つからなかった。

「4. 航空会社のマーチャンダイジング」は、記事の大部分を占めるDatalex社のプロダクトの宣伝部分を割愛したが、要すれば、航空会社のリテーリングの三大重要マーケティング開発は、① NDCと ② One Orderと、それら2つをベースにして展開する ③ ダイナミックオファーであると言っている。なるほど!これだけ読めば “ことが足りる”。One Orderとは何やら聞きなれない言葉だが、IATAによれば、オーダー管理プロセスの全てのデータを単一の顧客データに統一することである。PNR、Eチケット/EMD、決済、清算、フルフィルメントなど全てのデータが一つの記録にまとめられるというのだ。航空業界では、こんなことも未だできていないのだ。ダイナミックオファーとは、リアルタイムで顧客ニーズに即応するパーソナリゼーション(CRM)ということらしい。

 

またこのニュースは『・・・業界がエンジンを再始動し続けているため、新しい成長を見つけることはまだ可能である』といささか悠長なことを言っているのが気がかりだ。パンデミックで国際線旅客がほとんど居なくなってしまい、その回復にはかなり長期の複数年かかると言われている。これだけ甚大な影響を受けて、そしてパンデミック後の予想もつかないニューノーマルに対応していかなければならない航空会社が、果たしてこれらのシステム開発を継続できる余力を残しているのだろうか?心配だ。米TSA(運輸保安庁)のデータは、依然として1日あたりの米国航空旅客数が前年同日比30%以下に低迷していることを示している。

 

「5. ホテルのロイヤルティープログラム」の記事も、ホテル直販マーケティングソリューションのMirai社が書いた“自社寄り”の記事である。くどくどしく長く読み辛いが、要すれば、ホテルはロイヤルティクラブを梃子に直販を増加しろと言っているのだ。ロイヤルティクラブの会員向け料金は、ロイヤルティクラブという“特定市場”向けの料金であるために、OTAとのパリティー協定の適用除外とすることができるのだ。つまりOTAを気にせず自由に料金設定ができる。その上、非会員であっても、サイト訪問時点のその場で即オンライン会員登録ができ、登録した途端にサイトで表示された会員向け料金を利用できるのだから、これでは誰でもホテルが自由に設定した独自の料金を使えることなる。OTAも、このホテルの会員向け特別料金を掲載して、あたかもメタサーチのごとくの動きを示している。直販を優先させながら、OTAとも共存するマルチチャネル戦略が重要だと言っているのだろう。一部の大手OTAは、ホールセール料金のバラ売り“ホテルオンリー”料金の取り締まりにも協力している。

海外事情 2020年7月27日号NEW  
海外事情 2020年7月20日号
  1. (TJ) 短期レンタル市場の進化

  2. 2020年の旅行の安全                       

  3. ホテル衛生評価アプリ登場

  4. 旅行サイトのアクセス再び減少

  5. ラスベガスのホテル、テックホテルに変身 7月13日の週の最多閲覧記事

  6. 短期レンタル、投資家たちの見方       

  7. エアビー、1万人泊達成

  8. 日本、国内旅行市場回復

  9. DMOにおけるデータベースのコンセンサス

  10. 虚栄の指標の超越、インフルエンサーキャンペーンに多様化必要

  11. OTA V2.0は業界外から始まる

  12. トリアド、スマータートラベルメディア売却

  1. (TJ) ドバイのイノベーションハブ     

  2. ブッキング、米国で返金プログラム開始

  3. ウーバーの人種差別イニシャチブ

  4. レンタルテック4社がサイト立ち上げ

  5. 法人旅行再開時の3つの備え

  6. 中トリップ・コムG、トリアド出資

  7. 旅行会社向けシステムプロバイダー新興企業

  8. 航空会社旅客サービス、テック導入必要

  9. ウーバー、トランジットプロバイダー買収

  10. エアビー、COVIDクリーニングプロトコル50ヶ国に拡大

  11. セイバー、顧客サービス自動化テックと企業提携

  12. 印配車サービス、英豪NZ法人顧客にサービス拡大

  13. 短期レンタルへのインパクト、ホテルより小さい

  14. 航空運賃支払いの5つのヒント

  15. 7月6日と7月13日の週の資金調達ニュース

  1. (TJ) ウーバー、食事宅配サービス買収

  2. (TJ) エクスペディアで民泊予約増

  3. (TJ) 米国で、バイクシェア増加  

  4. 航空会社のマーチャンダイジング

  5. ホテルのロイヤルティープログラム

  6. セーバーの航空会社GDS契約

  7. 青信号待ちの法人旅行

  8. デジタル企業の第1四半期収入

  9. トラベルバブルとテック

  10. トラベルパーク、情報API企業 買収

  11. 欧イードリームズ、多角化推進

  12. 7月6日の週の資金調達

 
旅行流通に関する世界の
ニュース集

TD勉強会は、フォーカスライトJapanが、旅行流通(Travel Distribution = TD)に関する世界のニュースを集めているサイトです。

記事の一部は、トラベルジャーナル誌(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD/海外事情」に掲載しています。このサイトには、TJのコラムに掲載された記事以外の記事を、TJ発行日の3日遅れで掲載しています。

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