TD勉強会

旅行流通(Travel Distribution = TD)に関する世界のニュース集
 
新着情報

​2020年6月29日号(2)編集人コメント NEW

目次9.と10.の「コロナ後の航空流通世界におけるNDC」は、コロナ危機の今だからこそ航空会社の流通経費を削減するためのNDCが必要だと説く。絶好の機会だと。そして、ここではGDS流通を切り離せとまで言っている。ところが、「11. ホテルの運命、OTAが掌握」は、宿泊施設業界は、コロナ危機後の営業回復には、好むと好まざるとに拘らず第三者流通業者のOTAが不可欠であると説く。NDC記事とは全く逆の流通の方向を述べていて面白い。

 

宿泊業界では、そもそもGDSが存在していない。航空の乗り継ぎのための異なる会社のマルチの便の複雑な予約が必要のないホテル予約には、GDSのような予約システムの必要性が乏しいのだろう。それに加え、航空では、世界の定期航空会社数はたかだか千社にもならない(IATA加盟航空会社数は約290社)けれども、宿泊施設の場合は600万軒以上(Booking.comリスト数620万軒以上)が世界で営業している。だから、両者の間には大きな競争環境の強弱の違いが存在する。つまり競争が少ない航空は直販が比較的容易であるが、競争が多い宿泊施設の場合は、どうしても仲介業者経由販売への依存が高くなる宿命がある。

 

とはいうものの、「15. エクスペディアのパートナー回復プログラム 注意必要」は、宿泊施設の仲介業者への盲目的過度の依存には注意が必要だと言う。2001年の9-11アメリカ同時多発テロ後のホテルの過ち(OTAによる蹂躙)を繰り返すなと警鐘を鳴らす。しかし盤石に見えるOTAだって、Google Travelからの挑戦を次第に受けるかもしれない。前週の、「パンデミック後の旅行業界の将来の可能性、シナリオ1」ではGoogle Travelが、コロナ後の回復フェーズの最前列に位置すると予想しているではないか。ExpediaやBookingは、Google依存を減らすと言っているが・・・果たしてこの競争は今後どうなって行くのだろうか、目が離せない。

 

ところで、コロナ危機後のツーリズムの“ニューノーマル”がどのようになるかは、コロナそのものが良く分かっておらずワクチンも開発できていいない現在、見当もつかない暗中模索の状況だ。しかし明々白々なことは、「17. 旅行需要回復のための役割分担」が言っている通り、旅行者の恐怖と不安を取り除くことが市場のバックツーノーマル、否ニューノーマルの始まりのためには絶対に不可欠だということだ。さりとて“暗中模索で見当もつかない”状況ではこれも難しい。政府や旅行サプライヤーの不統一な公的防疫ガイドラインが多く出現してはいるものの、それらは決して未だ安心させてくれていない。

 

「16. 仏旅行業界団体、グーグルとFBに支援要請」は、フランスの旅行業界団体がGoogleに対して、検索市場での優位性を活用し、競合他社のサービスを犠牲にして自社プロダクトを優先させ、検索サイト上段に目立つように表示し、オンライン広告収入の点で旅行をGoogleの最大のバーティカルにするというGoogleの慣行について長年の懸念を抱いていると書いている。Googleは、コロナで多発した予約キャンセルに対応して“pay-per-stay”の広告料金制度を導入し、取り消されなかった予約(つまり実際に宿泊が実行された予約)に対するだけの広告料金を徴収する制度を導入したではないかとで反論する「1. (TJ) グーグル、新ホテル広告料金」。

 

EUでは、2020年第4四半期に、GAFAを念頭に入れたDigital Service Actを制定する計画だ。G20は2月に、デジタル課税の具体案を年内にも最終化することに合意した。日本でも2月に巨大IT企業規制案が閣議決定された。

これらの世界における一連の動きを見ると、コロナ後のニューノーマルは、旅行流通部門の民主化についても進展させるかもしれない。

2020年6月29日(1) 編集人コメント 

今回より隔週発行を改め毎週発行に変更する。その方が急変している市場のニュースをタイムリーに発信できるからだ。

5月18日の週では、何と言っても先々週からシリーズで開始された「パンデミック後の旅行業界の将来」が秀逸だ。5月19日のパート1を含めて全て4つのレポート(シナリオ)を掲載した。4つとは、① 市場のV字急回復;市場は元の状態に復元、② 急回復すれどニューノーマル社会台頭;マスツーリズム終焉;オフライン旅行会社と法人旅行市場が衰退、③ 回復緩慢;大手グローバル企業生き残る;旅行長期にわたって不況、④ 何でもバーチャル:富裕層の旅行のみ継続・・・である。各シナリオには、トランスポート、アコモデーション(宿泊施設)、ディストリビューション(仲介業者)の夫々の事業者がどのようになるかも予想されている。

そしてこれらが、旅行業界の今後の方向性を示すための指針になればありがたいと言っている。どのシナリオが現実となりそうなのかは、シナリオ1のV字回復を切望するものの・・・、この前例のない壊滅的な危機が未だに衰えていない現状では良く分からない。しかし、考えられ得るすべてのケースを網羅しているようなので、今後を考え戦略を練るには誠に良いシナリオ集であると思う。

2020年6月15日号 編集人コメント

この2週間(5月11日~22日)では、コロナ後の旅行ニューノーマルの予想記事が多かった。「1. 未来のツーリズム産業の再構築」では、無視されているツーリズムを支える目的地の零細観光業者たちとの協調と協業をもっと密にするべきだと説く。観光のサステイナビリティーがなかなか実現できていないでいるが、コロナ危機によって“ゼロトラベル”となってしまった今が、それを確立する絶好な機会だと言っている。

「2. コロナパンデミックのデジタルノマド」は、“電子遊牧民”生活が、特に若い人たちの間でニューノーマルになると言う。リモートワーク、テレワーク、ワーケーションなどの新語が示す通り、人々は皆が同じ場所に一堂に集合するオフィスへの毎日の通勤(痛勤)を嫌っているのだから、このニュースには何の違和感もない。この働き方改革によって地方の過疎化が止まるかもしれない。

「5. コンタクトレスと監視資本主義下の旅行者」は、①非接触アクセシビリティ、②監視社会、それに③バーチャル化の3つのニューノーマルの可能性を示唆する。パンデミック危機が進行したこの3ヶ月間に、人間の相互作用が全くなくなる“ノータッチ”の自動化が加速し、人々は疫学的安全との引き換えに監視資本主義を受け入れ、効率性優先のバーチャル化(オンライン化)を押し進めた。そしてこの3つが今後の社会のニューノーマルになる可能性があると言う。しかしこの記事は、こんな人間性を無視したことが新基準になるならば世の中えらいことになると書く。そして1.の記事と同様に、それよりも環境問題への配慮が重要だとする。これも全く同感だ。

「14. 懐疑的旅行ブランドのコロナ後の備え」は、市井で騒がれているような多くのニューノーマル予想に懐疑的だ。そんな良く分かってもいないことをあれこれ想像して追いかけるよりも、もっとコロナ危機下の顧客の動向分析と彼らの意見の聴取に真摯に取り組めと要求する。正論だ。

「3. セイヤーベンチャーの旅行スタータップ投資」は、“変わらない”と言っている。

  1. (TJ) グーグル、新ホテル広告料金

  2. (TJ) 民泊管理のバカサ、大型調達

  3. (TJ) 旅行の不安減少も検索は低迷

  4. 滴滴、ソフトバンクから5億ドル調達

  5. オール女性エンジニアリングチーム活躍

  6. スカイスキャナーCEO辞任

  7. マリオット、稼働率20%超

  8. スタータップ6 社のディジタルプラットフォーム開発

  9. コロナ後の航空流通世界におけるNDC パート1

  10. コロナ後の航空流通世界におけるNDC パート2

  11. ホテルの運命、OTAが掌握        

  12. ホテルの衛生プロトコル費用

  13. バケーションレンタルで需要回復

  14. 主要旅行ブランド、コロナ情報サイト開発

  15. エクスペディアのパートナー回復プログラム 注意必要

  16. 仏旅行業界団体、グーグルとFBに支援要請

  17. 旅行需要回復のための役割分担     

  1. (TJ) 米国で、ドライブ旅行増加

  2. パンデミック後の旅行業界の将来の可能性、パート1

  3. パンデミック後の旅行業界の将来の可能性、パート2

  4. パンデミック後の旅行業界の将来の可能性、パート3

  5. パンデミック後の旅行業界の将来の可能性、パート4

  6. 航空旅客の信頼獲得方法

  7. 米トリップアクション、COVID情報ソース集積

  8. 弱い米旅行消費者動向、マッキンゼー調査

  9. 航空旅行回復に、革新・自動化・協業必要

  10. 欧ボルト、1億ユーロ調達

  11. 米リアクトモバイル、6百万ドル調達

  12. ツアー&アクティビティーの市場回復計画

  13. 世界バケーションレンタル需要増加

  14. エクスペディアG、無料マーケティング提供

  15. フェスティバル旅行者、イベント開始期待

  16. 豪トリップフューザ、140万ポンド調達

  17. 米キャバナ、350万ドル調達

  18. 中国トリップ、第1四半期 減収40%

  1. (TJ) ヒルトンCEO「回復に3~4年」

  2. (TJ) コロナ後の世代別対応が鍵

  3. (TJ) ルフトハンザ、セーバー離脱

  4. (TJ) 後払いサービスに大型調達

  5. 未来のツーリズム産業の再構築

  6. コロナパンデミックのデジタルノマド

  7. セイヤーベンチャーの旅行スタータップ投資

  8. コンタクトレスと監視資本主義下の旅行者

  9. フランス政府が新OTA設立

  10. 免疫パスポート

  11. エクスペディア、グーグル依存修正

  12. イージージェットで情報漏洩

  13. エアビーで宿泊期間長期化

  14. ラーストミニッツ、9,500万ユーロ調達

  15. 懐疑的旅行ブランドのコロナ後の備え

  16. グーグル、コロナ医療従事者検索容易化

 
旅行流通に関する世界の
ニュース集

TD勉強会は、フォーカスライトJapanが、旅行流通(Travel Distribution = TD)に関する世界のニュースを集めているサイトです。

記事の一部は、トラベルジャーナル誌(TJ)の隔週コラム「FROM THE WORLD/海外事情」に掲載しています。このサイトには、TJのコラムに掲載された記事以外の記事を、TJ発行日の3日遅れで掲載しています。

世界の旅行流通情報を
ベテランスタッフが意訳

原則隔週で、Tnooz (tnooz.com) 並びにTravel Weekly (travelweekly.com)を含む海外の主要経済紙、業界紙などに掲載された旅行流通に関する最新ニュースを、ベテランのスタッフが意訳・編集して旅行業界の皆様にお届けします。

閲覧には会員登録が必要です。
閲覧ご希望の方は、「お問い合わせ」メニュー(または右の「お問い合わせ」ボタン)からお名前や連絡先などの会員情報をご登録の上、右上の「ログイン/会員登録」から閲覧のためのID(メールアドレス)とパスワード(任意)をご登録ください。​
 

© 2023 著作権表示の例 - Wix.com で作成されたホームページです。