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2024年 3月第3週 の 編集人コメント

9. 4大OTA、2023年のマーケティング支出で過去最高を記録」は、OTA各社、特にExpediaとBooking.comのパフォーマンスマーケティングコストが大幅に増加したことを伝えている。この結果、旺盛な旅行需要による大幅増収を達成した。Booking.com, Expedia, Trip.com, Airbnb の4社合計で、昨年は168億ドル(約2.5兆円)に達した。売上に対するマーケティングコストの割合は、Expedia 54%、Booking.com 32%、Trip.com 20%、Airbnb 18%だった。

 

各社が優先している「ダイレクト」の成果はどうなっているのだろうか(あまり上がっていないようだ)? 

2.5兆円の大部分は、Google に支払われていると言われている。OTAは 「Google 憎し」とは言いつつも、結局のところ Google に依存せざるを得ないのが現状だ。しかし、そんな強い Google も、生成AIの分野では、OpenAI と Microsoft に出遅れた。生成AIが、従来の検索モデルを一変させる可能性がある中、Googleは巻き返しをはかっている。

 

パフォーマンスマーケティングの対語がブランドマーケティングとなる。直販サイトである自社サイト、つまりブランドサイトによる販売がブランドマーケティングとなる。

Airbnbは、ExpediaやBooking.comの巨額のパフォーマンスマーケティング広告費とは裏腹に、この広告費をほとんど使っていない。彼らは、ブランドマーケティングの広告費を使っている。旅行業界でブランド力が最強のAirbnbだからこそできる技だ。

ブランドを宣伝して、自社サイトairbnb.comへのダイレクトアクセスの増加を狙っている。Airbnbはトラフィックの90%が、直接(direct traffic)または無償(organic search:自然検索)と語っている。つまり有料広告によるトラフィックは他社に比べて極めて低いというわけだ。

 

13. GeminiとGoogle Travel、そしてOTAに与える脅威」は、Google が生成AI Gemini を開発して、”遅れ”を取り戻そうとしていると伝えている。Gemini を Google Travel などと統合させれば、あらたな検索方式が誕生するかもしれない。Google は、「イノベーションのジレンマ*」を克服する可能性があるというのだ。

​ イノベーションのジレンマどころか、世界市場を席巻しているGoogle検索に取って代わる破壊的イノベーションを、Google自身が自ら開発してしまう可能性なしとしない。

​* イノベーションのジレンマとは、「破壊的イノベーション」は往々にして大企業からではなく、新興企業から生まれるというジレンマのことを指す。

4. GetYourGuide、TikTok コンテンツクリエイターを募集、その理由は」が、旅行業界において、ソーシャルネットワーキングが重要だと指摘している。ソーシャルネットワークは、旅行業界において重要な役割を果たし、旅行者のインスピレーション源であり、情報収集・予約・体験共有の場となっている。旅行会社はSNSを活用し、ターゲット広告、インフルエンサーとの提携、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を通じてブランド認知を高め、顧客と関係を築いている。さらに、リアルタイムの情報提供や口コミ管理を行い、信頼性向上に努めている。SNSを効果的に活用することで、旅行会社は競争力を高め、より多くの顧客を惹きつけることができるのだ。

 

11. 米国のTikTok禁止が旅行業界に及ぼす影響」は、TikTokが禁止された場合、旅行の販売にも継続して大きな影響を及ぼす可能性があると言っている。

それだけSNSは旅行のマーケティングで重要な要素になっている。

 

1月第5週〜2月第1週の「10. 旅行業界におけるインフルエンサーマーケティングの効果を評価」は、旅行業界ではインフルエンサーマーケティングが急速に普及し、SNSでの視覚的な投稿が旅の訴求力を高めているといっている。

 

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