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2024年 9月第3週 の 編集人コメント

3. 旅行のワンストップショップの夢:次は何か?」が面白い。

 旅行の真のエンドツーエンドのワンストップショップはつくれないといっている。“コネクテッドトリップ” 戦略を推進しているBooking Holdingsにしたって、その取引は10%程度で、ちっとも成長が見られていないことを、その証左として挙げている。

 

 その理由として、以下の3つを述べている。

(1)コアビジネスのホテル予約とは、根本的に異なるトランザクションを、1つのプラットフォームで管理

        するのは困難であり、

(2)フライト・ホテル・アクティビティの取り扱いは専門的知識が必要で、根本的に異なるビジネスは、

        簡単には融合できず、

(3)顧客(旅行者)は、LFS(lowest fare search)を探し求める習性がある。

        そして、専門サービスとの提携を伴ったエコシステムの創設を、コネクテッドに代わる解決策としてい

        る。

 

8. Agoda共同創業者 Rosenstein:AI有無がギャップを広げる」は、「スーパーアプリは機能しない」と、同じようなことをいう。「1つか2つのことに集中する」といっている。

「9. Chesky、Airbnbの旅行の将来語る」では、Experiences機能を再開し、「毎年 2〜3の新しいビジネスを導入する。例えば長期レンタル・レンタカー・ハウジング」とコネクテッドもどきのことをいう。

Cheskyは、以前には航空便予約を含む総合旅行会社を標榜していたが、PhocusWireを読んでいる限りでは、最近、なぜか航空については触れていない。

 

「パーソナル」と「エクスペリエンス」と「コネクテッド」が、旅行販売の3大キーワードだと理解していた自分にとって、コネクテッドについてネガティブなトーンの、このニュース(「3. 旅行のワンストップショップの夢:次は何か?」)には少し驚かされた。

この記事を投稿したのは、航空便検索のスペシャリストのOojo社のCEOであるので、多分に自社のようなスペシャリスト有利の記事となってしまうのだろうか?

 

3つの理由のうちで最も大きな理由は (3)の顧客(旅行者)の最低運賃を求めて複数サイトを渡り歩く習性にあるらしい。だとすれば、コネクテッドトリップのワンストップショップはほとんど成り立たなくなってしまうのは明らかだ。

コネクテッドの成功のためには、LFS(Low Fare Search)を上回る、使い勝手の良さ・豊富な情報・優れたパーソナライゼーション、などの優劣が大きく作用するのだろう。もちろん、それと生成AIの利用だ。

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