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2025年 4月第5週 の編集人コメント    

 

印象に残った以下の4つの記事についてコメントしたい。

 

12. PricelineがAI近隣機能、Turoパートナーシップ発表

Pricelineが、AIを活用した「Neighborhood Edition」機能を発表した。この新機能は、ユーザーの個人の興味や「雰囲気」に合った地域(目的地)を見つけてくれる。そして、新機能立ち上げの理由として、「より多くの旅行者が地元の人のように時間を過ごすために“観光地から外れた場所”で地元の人たちのように過ごすことを好むようになっています」と言っている。

 

旅先の目的地で、地元の人たちのように生活してみたいと思っている旅行者は多く存在する。日本の大手旅行代理店でも、この需要に対応して、同一場所に1週間以上泊まる「長期滞在ツアー」を販売している。「Un-travelersになりたいtravelers」が多くなっているとレポートしている記事を、何処かで読んだことがある。

自分も、un-travelerとして花の都のパリに長期滞在したいとかねがね思っている。なかなか実行できないでいるのだが、その1番の理由は、旅の安全の確保が不安であるからだ。長期滞在中の病気やセキュリティー面での問題の発生がおっかない。Airbnbは、優秀なホストを多く抱えているのだから、この自分みたいなun-travelerの「安全」の面倒をみてくれる、そんな商品を作ってもらえないだろうか。

 

10. HomeToGo、AIフィルター立ち上げ

HomeToGoは、AIを活用した「AI Filter」を導入した。この新機能では、旅行者が自然言語で検索し、特定の条件に合ったバケーションレンタルを見つけることができるという。

 

この「AI filter」で、是非ともun-travelerの「旅の安全」を確保できるバケーションレンタルを見つけられるように欲しい。Un-travelerが安心して旅行できるような、安全面に配慮したサービスがあれば、さらに多くの旅行者が自分の理想的な旅行を体験できるのではないだろうか。前述の大手旅行代理店の「長期滞在ツアー」は、滞在先で24/7のなんでも相談できる緊急窓口を設置していたようだ。

 

8. GetYourGuide、AIツール立ち上げでショーイベント拡大

GetYourGuideは、新たにAIツールを導入し、ショーやイベントへの拡大を発表した。

これにより、旅行者はモバイルアプリを通じて特定の会場で座席を選択する機能が提供される。また、Cirque du Soleilやブロードウェイ、NBAなどと提携し、ライブイベントの予約も可能になった。さらに、ニューヨーク近代美術館やロンドンのテート・モダンなどとの提携で「All Art, No Crowds」という、混雑前に美術館を訪れる特別な体験も提供している。AIツールは、オペレーターがリスト内容の矛盾を修正し、より高品質な提供を支援するための新機能も含まれている。

 

GetYourGuideは、ショアーやイベントのチケット販売にも事業を拡大している。ならばこの流れで、ショーやイベントの人気アーチストの「追っかけ旅行」を企画してみたらどうだろうか。熱烈なファンたちは、「推し」のアーチストの追っかけ旅行ツアーにきっと参加するだろう。

そんなことをあれやこれやと考えていたら、エンタテインメントに付随する観光旅行ビジネスに取り組んでいたエイベックス・トラベル・クリエイティブ(ATR)の存在を思い出した。調べてみると、ATRは、2020年6月にエイベックス株式会社およびその子会社であるエイベックス・デジタル(ADG)に対して、観光旅行ビジネスの各事業を譲渡し、同年9月1日付で解散および清算されたことが分かった 。「追っかけ旅行ツアー」は、難しそうだ。

 

19. Hotelworldの 旅行者をつなぐためのソーシャル戦略

Hostelworldは、若年層をターゲットにしたソーシャル戦略を強化し、旅行者同士のつながりを促進している。新たに「グローバル・トリップ・プラン・マーケットプレイス」を導入し、ユーザーが旅行計画を共有し、他の旅行者と接続できる機能を追加した。このデータはAIプラットフォームと統合され、旅行者同士をマッチングし、アクティビティや体験を提案する。また、ユーザーが作成した投稿を再投稿し、インフルエンサーとも連携してコンテンツを作成する方針だ。

 

この「グローバル・トリップ・プラン・マーケットプレイス」は、SNSを活用した旅行会社、「トリッピース」(2013年創業)を思い起こさせる。調べてみたら2023年10月末でサービスを終了していた。SNSトラベルも、事業として永続させるのは、かなりの難しさが伴いそうだ。

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