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2024年 5月 第2週 の編集人コメント

2. 米OTA総取扱高、初めて1,000億ドル突破」の記事があった。

 この記事は、Expediaが最大といっている。これは米国旅行市場における話であって、グローバルで見た場合は、Booking Holdingsが最大となる。

 グローバルOTA3社の2024年第1四半期の決算概要を次表にまとめてみると、次のような事が分かる。

 

総取扱高(gross bookings)で、Booking Holdings(BKNG)がExpedia Group(EXPE)を約40%上回る。損益では、BKNGが利益7.8億ドルを計上したのに反し、EXPEは1.35億ドルの損失を計上した。企業業績の最大のメトリックスともいえる時価総額では、BKNG(1,291億ドル)は、EXPE(149億ドル)の約9倍となる。

 

Booking Holdingsが強い理由は、おそらく

(1) Booking Holdingsの前身である米Pricelineが、オランダのOTA(当時のBooking.nl)を2005年に買収していち早く世界市場に打って出たことと、

(2) Booking Holdingsは、傘下の少ないブランドに集中して経営できるのに対して、Expedia Groupのブランド数は多く、分散のために事業最適化が困難となっている

ことなどが挙げられる。

 

Booking Holdings傘下には、Booking.com、Priceline、Agoda、Kayak(メタサーチ)、OpenTable(レストラン予約)がある。

 Expedia Group傘下には、Expedia.com、Hotels.com、Vrbo、Orbitz、Travelocity、Wotif Group、ebookers、CheapTickets、Hotwire.com、CarRentals.com(レンタカー予約)、Trivago(メタサーチ)がある。

 

グローバルOTA3社の1Q決算概要は次の通りである。

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