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7月15日の週の編集人コメント

「4. 2024年の旅行を形作る技術革新とトレンド」が、ジェネレーティブAIの他にも、検証可能な認証(verifiable credential)である自己主権アイデンティティ(SSI)や、バイオメトリクスに注目すべきだと言っている。仮想現実や拡張現実(VR/AR)、Web3、IoTなどの技術が旅行体験を補完する可能性がある。中央銀行のデジタル通貨(CBDC)の発行も近づいているという。

このうちSSIについては、

Phocuswrightのシニアテクノロジーおよび企業市場アナリストのNorm Roseは、「・・・SSIが旅行者に個人データを管理する権限を与え、よりパーソナライズされた摩擦のない旅行の機会を開くと同時に、詐欺のリスクを下げる可能性がある。旅行プロセスの自動化とパーソナライズ、そして私たちが長年話してきたコネクテッドトリップの作成の中心にある、堅牢で柔軟で検証可能なデジタルアイデンティティの役割は、この技術を通じて現実のものになるだろう・・・」と語っている。

 

そうなれば、それこそ完全旅行(perfect trip)が完成する。

「7. 検証可能な資格情報とデジタルウォレット、旅行を変える」のAmadeus, Neokeなどの専門家のパネルディスカッションと併読すると一層理解が深まる。

 

また、企業の持続可能性への対応(誓約)が、今後の法人旅行に大きく影響する可能性があるとも言っている。Phocuswrightのシニアアナリスト兼創設者であるLorraine Sileoは「・・・企業が温室効果ガスの排出を制限する最も簡単な方法は、航空マイルを削減することだ、・・・科学に基づく目標への誓約は、今後何年にもわたって、企業の出張者を減少させるだろう」と予測している。

 

先週号の編集人コメントの冒頭で、”旅行しなくても旅行体験ができるテック”について触れたが、法人旅行では、バーチャル会議の普及で、案外これが、“まったく“ 出張しなくてもビジネスができる環境が、実現するかもしれない。

 

「19. Amazon、大手旅行業社になる?」が面白い。

この問題については、業界の意見はさまざまだが、前出のPhocuswrightのSileoは、「・・・Amazonの旅行販売者としての可能性についてオープンマインドでいることが重要だ。もしかしたら、面白いことが始まるかもしれない」と言っている。先週の編集人コメントで「・・・自分は、日本市場にさらに2隻の黒船(HopperとAmazon)が到来してくると読んだ」と書いたが、荒唐無稽どころか、あり得そうな話のようでもある。

(編集人)

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