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2024年 12月第1週 の 編集人コメント

 

1. STR業界で予約ソースが多様化している」で、ホテルプロパティ管理プラットフォームHostfullyの調査が、「2022年以来、Airbnbを介した予約が毎年8〜4%減少している」といっている。

Airbnbの第3四半期決算は、総売上高が201億ドル(前年同期比 10%増)、純利益14億ドル(利益率37%)と堅調な好決算を維持しており、ダイレクトアクセスが減少している兆候は見当たらない。総需要の増加が、ダイレクトアクセス減を上回っているのかもしれない。

 

ChatGPTに聞いてみたところ、「オーガニックな検索に関する情報は存在していないが、入手可能な複数の第三者解析によると、全体の20~30%程度と推定されている。ブランド認知度の高さから、ダイレクトアクセスも非常に大きな割合を示すことが一般的である。Airbnbのリスティングの57%がAirbnbだけにリスティングしており、33%が複数のOTAにもリストしている」と回答した。

 

「2. Breeze Airways 創業者、文化、テクノロジー、コミュニケーションを語る」では、Morris Air、WestJet、JetBlue、Azul Linhas Aereasの共同創設者であり、2021年5月に5番目の民間航空会社Bleeze Airwaysを設立したDavid Neelemanが、一番重要視しているのは「親切」だと言っている。それにもかかわらず、新会社ではコールセンターを廃止した。コールセンター強化が必要なのではと考えてしまうが、AIに顧客データを学習させて、サービス向上を図る逆転の発想(?)らしい。

5つの航空会社をつくった実績があるのだから、AIの活用もきっと成功させることだろう。

 

航空会社の話では、「7. 元アメリカン航空幹部、航空会社の流通の継続的な進化を語る」が面白い。アメリカン航空の直販優先がつまずいた(2023年5月 CMO辞任)けれども、直販はアメリカン航空が継続して追求する重要戦略であるといっている。

これだけネット販売が便利になって普及しているのだから、航空会社をはじめサプライヤー側にとって、直販優先は流通経費削減のためのマスト継続戦略だ。

だからロイヤリティやダイナミックプライシングなど価格政策を、さらに強化しているのだ。

アメリカン航空のつまずきは、主に法人旅行管理会社(TMC)の猛反発によるもので、一時的な後退にしか過ぎないと考える。タイミングが悪かったのだ。TMCやOTAなどトラベルエージェントたちは、それどころか、AIエージェントの出現に備えなければならなくなるだろう。

 

アメリカン航空のマーケティング担当役員(CMO)は、「競争環境の認識のズレ」によって適切なマーケティング施策でありながら方針変更を余儀なくされ、挙げ句に辞任させられてしまったのだ。

航空会社勤務の経験を持つ編集人は、このCMOに痛く同情する。自分ごとで恐縮であるが、これと同じような経験をしたことがある。収入管理部門の責任者をしていたときに、新しい運賃管理方式を導入しようとしたが、現場の東京支店から「そんなことで売れると思うのか!」と一喝され、提案した運賃政策は却下されてしまった。タイミングが悪かったのだ。それ以来、現場とのコミュニケーションに気をつけるようになった苦い経験がある。しかし、甘やかして現場が強くなり過ぎるのは、もっと悪い。

(編集人)

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