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2024年 12月第3週 の 編集人コメント

 

2024年も終わろうとしている。PhocusWire Dailyは、この1年の10大ニュースをカテゴリー別に区分して、連続して何回も掲載している。

6. 2024年の旅行のムーバー、シェーカー、ニュースメーカー」と、「7. 2024年のPhocusWireのトップ10ニュース記事」がそれだ。

それらに加え、12月第2週でも「7. PhocusWire 2024年トップオピニオンストーリー」があった。

 

2024年のトップは、なんといっても生成AIが関連するトラベルテックのニュースだ。その生成AIについて、今週では「4. 単なる2025年トレンドでない、生成AIは旅行技術革新の黄金時代への起爆剤」と「5. 開発中のAIエージェントが旅行の可能性を示す」があった。表題が文字通り示しているように、技術革新がますます急速に進展していることが分かる。

 

日本の旅行業界の10大ニュースのトップは、訪日旅行者の新記録達成といえる。2024年は年間で、過去最高の3,687万人のインバウンド旅客が日本に殺到した。ちょうど、毎日10万人が日本に来ている勘定になる。

この他にトップ10に入ったニュースは、どんなものがあるのだろうか?

オンライン化に後れを取ってしまって大きな技術負債を抱えるこの業界で、果たしてトラベルテック(なかんずく、生成AI)のニュースは、トップ10入りしただろうか?

 

1ドル140〜150円で推移する円安・ドル高も、訪日旅行者増加の一つのドライバーになっている。2024年の訪日外国人の旅行消費額は8兆円ほどと推定されている。

オンライン化に後れを取ってしまったのは、旅行業界だけではない。

マイナンバーカード導入の混乱を見れば、日本のデジタル化(DX)の遅れをまざまざと認識できる。

デジタル収支は年間で6兆円を超える赤字となった。 

つまり、日本のDXの遅れのために、デジタル関連サービスや商品(例えばAmazon、Google、Microsoftのクラウドサービスなど)を輸入する額が、輸出額を上回っているのだ。

 

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「世界デジタル競争力ランキング2023」において、日本は64カ国・地域中32位となり、前年から3つ順位を落とし過去最低の順位となった。これも今週の「9. EUデジタルIDウォレットは2025年の旅行にどのように影響するか」読むと、周回遅れの日本のDXの不様な現状に愕然としてしまう。

 

円安も手伝って、我が国の1人当たりのGDPは、韓国と台湾に抜かれてしまったようだ。日本経済研究センターは18日、個人の豊かさを示す1人当たり名目国内総生産(GDP)で、日本が2022年に韓国、2024年に台湾をそれぞれ下回ったとの試算をまとめた。円安・ドル高の影響や日本経済の低成長などを要因にあげた。(日本経済新聞12月18日朝刊 許諾番号30102808)

 

大きな技術負債を抱えている弱点を、むしろ強みに変えて、「飛躍(リープフロッグ)」するイノベーションを期待したいものだ。

 ChatGPTに日本の旅行業界の将来を聞いてみたところ、こう回答した。

 「日本の旅行業界は、技術負債を克服するだけでなく、それを基盤にして新しい飛躍を遂げる可能性を秘めています。ただし、イノベーションには業界全体の意識改革と持続的な投資が必要です。“変えなければ生き残れない”という危機感を共有し、世界的な競争力を持つシステムを構築することが鍵となるでしょう」と。

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