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3月17日の週の編集人コメント

 

Tripadvisor Groupは、Viatorの新社長に元Booking.com幹部のPepijn Rijversを任命した。彼は4月1日から就任する。Viatorは現在、Tripadvisor Groupの戦略的・財務的中心であり、2024年の取扱高は42億ドル、売上は8億4,000万ドルで前年比14%増の成長を記録している。CEOのMatt Goldbergは、今後も体験事業の拡大を重視し、供給拡大やパーソナライズ強化、AI・データ活用を進める方針を示した。CFOのRijversは、体験予約市場の成長余地に注目し、グローバルマーケットプレイスの構築を目指す。

「1. Tripadvisor、Booking.comのベテランをViator社長に」

 

Viatorの調整後EBITDAは3,300万ドル(マージン4%)であり、Brand Tripadvisorの3億100万ドル(32%)と比べると大きく見劣りする。なぜViatorの利益率は低いのか? その要因は、体験型旅行事業の構造的な課題にあると考えられる。具体的には以下の点が挙げられる。  

  • 商品の単価が低い

  • サプライヤーの規模が小さく、必然的にマージンが低くなる

  • 販売プロセスが複雑(直前キャンセル、スケジュール変更、払い戻し対応が多い)

  • GetYourGuide、Klook、Airbnb Experiencesなどとの競争が激化

  • 顧客獲得のための有料マーケティングコストが高額

  • トラベルテック導入への投資負担が大きい

 

Viatorは現在、高成長フェーズにあり、短期的な収益性よりも事業拡大を優先している。そのため、マーケティングコストの高さ、サプライヤーとの収益分配、技術投資などが重なり、利益率は低水準にとどまっている。しかし、今後、顧客獲得コストの安定化や規模の経済が進めば、利益率が改善する可能性はある。  

「エクスペリエンス市場は重要」と言われる一方で、ビジネスとしての採算性を高めるのは容易ではないようだ。

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