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2024年 1月 第5週・2月 第1週 の編集人コメント

 

今週号の閲覧数トップのニュースは「1. CEOインタビュー:Expedia Group Peter Kern」だった。 4年前、業績改善のためにExpedia GroupのCEOに就任したKernは、

  1. グループ傘下の10数ブランドをまとめたOne Key統合ロイヤリティプログラム

  2. B2B事業拡大

  3. テクノロジー推進

など、矢継ぎ早に経営改革を実行してきたと報じられている。

 

米国(世界)の3大OTAであるExpedia Group(EXPE), Booking Holdings(BKNG), Airbnb(ABNB)のチャート(5年間)を以下に掲載した。過去5年間で、BKNGの株価は1.9倍と他のEXPE (15%増)、ABNB (5%増) を圧倒する。BKNGの「Connected Trip」戦略が優っていると言うことなのだろうか。EXPEの市場の評価はさほど高くなく、ABNBは、総合旅行会社を目指して開始した「Experiences」の体験プロダクトをパンデミックで中止*したままだ。さらに、ニューヨーク市の民泊規制法の導入も、業績に悪影響を及ぼしている。

*ABNBは2024年第2四半期に「Experiences」を再稼働させた。

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何故BKNGの株価上昇が、他のそれよりも数倍も高いのだろうか?業績の良し悪しの反映した結果であると考えるのがもっともらしい回答だ。しかしそれに加えてというか、それよりも、BKNGの積極的な自社株購入が影響しているのではないだろうか。同社の2023年年次報告書によれば、BKNGは潤沢なフリーキャッシュフローを使って、自社株(いわゆる金庫株)購入を続けている。2023年12月31日時点では、購入した自社株数の累計は、2,965万株にのぼり、全発行株数の何と46%にも達している。継続した自社株購入計画によって、堅調な株価の維持を行っているという訳だ。

 

これからの3社の争いは、「2. 生成AI活用に関する旅行者の快適性:Phocuswright調査」がまさに言っているように「・・・旅行ブランドは、旅行を計画、予約、体験する方法に(生成AI、ARなどのテックを)統合する道を歩み続ける必要がある」。兎にも角にも、生成AIやWeb3などの新興技術の目まぐるしい急速な進化によって、旅行の仲介業も例外なくリストラの大波にさらされることは避けられないだろう。

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