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2025年9月第2週の編集人コメント

 

9月9日付の記事「7. 旅行買物客の Google AI Mode 使用方法調査」は非常に示唆的だった。これは米国の42名を対象に、マーケティング会社Propellicが旅行者のAIモード利用実態とその影響を分析した調査報告である。

 

予想した通り、AI検索の威力は物凄く、Google Modeの評判もすこぶる良いようだ。

この調査によれば、Google AI Modeは、調査参加者たちから高く評価され、信頼性についても平均4.3/5以上と、ChatGPTなど他の生成AIツールを上回る水準が確認されたという。予約導線ではOTA経由よりも宿泊施設や事業者の直販サイトに向かう割合が56%と過半を占め、OTAは生成AI向けの最適化(GEO)を迫られている。

 

検索の主流は明らかにキーワードから会話型へ、SEOからGEOへと移りつつある。AI検索の時代には、「えージェンティック AIに拾われなければ商売が成り立たない」とさえ言われる。影響を受けるのはOTAばかりではない。AI検索はLLMを駆使した新しい形のメタサーチとも捉えられ、既存のメタサーチだって、このままでは、やがて取って代わられる可能性がある。

OTAもメタサーチも「AI検索新時代」への対応を迫られている。

 

これは既存企業のビジネスモデルを揺さぶる創造的破壊、すなわちゲームチェンジをもたらすだろう。これまでの競争軸が「ブランド認知」や「露出確保」であったのに対し、AI時代にはユーザーがブランド名を検索しなくてもAIが最適解を導き出す。つまり、「AIに推薦されるか否か」が企業の生死を分ける時代が到来する。

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