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6月 第3週 の 編集人コメント

 

Phocuswright Europe Conferenceが、6月10日〜12日の3日間バルセロナで開催された。Phocuswrie Dailyは、この会議のニュース速報を写真付きで連日伝える。

Phocuswriteと言えば、世界で唯一のオンライン旅行市場に焦点を当てた調査機関である。創立は1994年で、丁度、旅行商品の流通がB&M経由からオンラインに変わり始めた頃に、Philip C. Wolfによって立ち上げられた。まさに旅行流通のオンライン化が始まりつつあった時に、時代を先読みして非常にタイミング良く作られた。

自分は、JALを定年退職した直後の2007年に、ここの日本地区代表(Director, Japan)となった。JALで航空流通を担当していた際に、世界先進の米国旅行流通を学ぶ必要があると痛感し、Phocuwrightの年間購読者になっていた。そんなこともあって、定年後の第二の社会人生活の場として、ここが”打ってつけ”と身勝手に考え、Phocuswrightを選んだわけである。

定年後の再就職は、簡単ではない。定年の半年ぐらい前から、Phocuswright CEOのWolf 宛に「You need me」と書いた売り込みメールを送った。待てど暮らせど返事が来ない。2度、3度、否もっとそれ以上、文章を工夫して何度も書き直してラブコールしてみても返事がない。どうやら、相手にしてくれていないようだ。

ならばと、「This is the last I ask」と最後通牒もどきのメールに「Japan Travel Market Overview」と題する英文の25枚程度のパワーポイント紙芝居をつけ「How large Japan travel market is!」を説明した、そしてさらに、Sabreの日本担当重役の紹介状も添付した。

驚いたことに、何と、その15分後にWolfから返事が来た。そこには「Haruo, come to seem me at Orland Phocuswright Conference. Philp」とたった一行が書かれてあった。欣喜雀躍、指定された日時に、格安航空券を購入して乗り換え3回の長距離夜間飛行も何のその、24時間以上かけてOrlandに飛んだ。Conferenceの会場ゲートには、Wolfが待っていてくれた。そして初対面した途端、部下に「Give Haruo the PCW budge」と言うじゃないか。採用が決まった瞬間だ。PCWはPhilip C. Wolfの頭文字であり、このバッジは社員証でもある。

私ごとの話を長々と続けてしまい恐縮だが・・・、今週のCopnferenceの速報記事と写真を見て、懐かしく感傷的駄文を弄してしまった次第である。

多分、パンデミック前2017年か18年ごろを最後に、それ以降のConferenceには参加していない。なので、どの写真を見ても、ほとんど顔見知りがいなくなってしまった。

少なくとも、全部で、かれこれ4〜5回は参加しただろうか。それらで体得したことは、”ネットワーキングの大切さ”である。センターステージのパネル討論やキーパーソンのスピーチと同じ様に、参加者同士の情報交換(すなわちネットワーキング)が極めて重要なのだ。イベント会場には、朝食、昼食、コーヒーブレイク、夜のカクテル・・・と、ネットワーキングの機会が存分に用意されている。身内同士の談笑や壁の花になっては決していけないのだ。

リアルの法人旅行が、バーチャルのSkypeやTeamsなどのオンライン会議にとって変わると言う話は、このネットワーキング効果を考えると、どうやらあり得そうもないようだ。どの企業の営業部門も異口同音に言っている通り、出張による「F2F(face to face)」が鍵となる。今週号「3. オンライン プラットフォーム、法人旅行復活捉える(閲覧第1位)」を読むと、一層、強くそう感じる。

Philpは、3年前の2021年3月に、享年64歳の若さで突然亡くなった。Phgilipのおかげで、大変貴重な経験をさせてもらった。2012年4月の人形町今半の、Philip夫妻とのすき焼きパーティーがまぶたに浮かぶ。RIP Philp, Thank you Philpの弔電を打った。自己都合により、昨年12月にはPhocuswrightの契約を停止した。

(編集人)

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