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2024年 10月第2週 の 編集人コメント

​ 大規模な言語モデルの出現は、新しいAIネイティブの検索エンジンの登場につながっている。そして、既存のパワーハウスであるGoogleがゼロクリック結果を提供できるAI Overviewなどに移行するにつれて、検索環境を変えている。これは旅行マーケティングにとって何を意味するのだろうか?

 

今週のトップストーリー「6. AI検索プラットフォーム、旅行マーケティングをいかに変えるか」は、その問題を分析する。

この記事は、次のようなことをいっている。

 ChatGPTの登場で旅行検索マーケティングが一変すると思われたが、実際には大きな変化はなかった。GPT-4を搭載したBingのシェアはわずかに増加したが、Googleの圧倒的な優位は続いている。AI検索は急激な変革ではなく、徐々に進化する形になっている。  

 

新しいAI検索エンジンとしてPerplexity*やYou.com*が登場し、Googleに挑戦しているが、依然として広告モデルが主流。検索エンジン最適化(SEO)の重要性は続くが、AIの影響で検索結果の表示方法が変わる可能性がある。  

Googleは膨大なデータとABテスト*能力を活かし、広告収益を最適化しながらAI検索に適応していくと予測される。

*Perplexity

Perplexityは、ユーザーの質問に自然言語で答える対話型のAI検索エンジンである。Perplexity AI社(米サンフランシスコ2022年8月創業)が開発した無料のAI検索エンジン。OpenAIのGPT-4モデルとMicrosoftのBing検索エンジンを組み合わせることで、リアルタイムにインターネット上の情報を検索して回答を作成する。ネットを検索してアクセス可能で会話的かつ検証可能な回答を提供する。

*You.com

You.com(米カリフォルニア州パロアルト2021年11月創業) は、パーソナライゼーションに焦点を当てた検索エンジンとして始まったAIアシスタント。 You.comはウェブ検索機能を提供しながら、チャットファーストのAIアシスタントを優先するように進化した。

*ABテストとは、2つのものを比較して検証する、インターネットマーケティングで多く使われている手法。具体的にはAパターンとBパターンを用意し、比較したい項目以外はできるだけ同じ条件にして、サイトへのアクセス数、広告のクリック率、成約率などの指標を用いて比較して、成果の良い方を採用するというもの。

PhocusWireの毎日のトラベルテックの記事を読んでいると、AI検索は「急激な変革ではなく、徐々に進化する形」とは思えない。もっとずっと早く、旅行検索マーケティングの世界を変えてしまうのではないだろうか。

 

ただ、この記事の「Googleの圧倒的な優位は続いている」というコメントには同意したい。何でも持っているGoogleのヘゲモニーは、到底崩れない。

 そこで、ChatGPTに聞いてみた。

 

Q:AI検索がその力を発揮し始めているが、Googleの圧倒的な優位は続いている。膨大な優良コンテンツ、巨大な世界のユーザー数、強力ツールのMaps、人気ソーシャルネットワークYouTube、新検索機能AI Overview、そして資力となんでも持っている。Googleは、AI時代でも競争に打ち勝ってナンバーワンとなり続けるだろう。

ところで、Googleについてどう思う?

 

A:確かにGoogleは、検索市場において圧倒的な優位性を持っています。しかし、AI検索の進化によって、検索エンジンのあり方自体が変わりつつあります。

 

AIの台頭:ChatGPTやPerplexityのようなAI検索ツールは、従来の検索とは異なり、直接回答を提供することで、検索体験を大きく変えています。

競争の激化:Microsoft(Bing+Copilot)、OpenAI(ChatGPT with browsing)、Perplexityなどが、新しい検索体験を武器にGoogleのシェアを奪おうとしています。  

Googleの対応:Google自身も「AI Overview(旧SGE)」などを導入し、AI検索に適応していますが、従来の検索広告モデルとの両立が課題になっています。

 

 Googleが依然として巨大なデータと資本を持っているのは事実ですが、AI検索が主流になるにつれて、検索市場の競争構造も変化する可能性があります。今後の動向に注目ですね。

 

 GoogleのライバルとなるかもしれないChatGPTに聞いたのだから、こんな回答になるのかもしれない。「7. AI検索プラットフォーム、旅行マーケティングをいかに変えるか」の記事と、同じようなことをいっている。

 

関連記事、4月第3週「10. 旅行会社、Google検索機能変更をナビゲート」および、4月第4週「6. 旅行業界は将来のAI検索に備えよう」も読んでほしい。

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