2月27日

目次

12. 不動産管理プロバイダー Apaleo、ホスピタリティAIエージェントのマー市場創設

13. 旅行マーケターが、アフィリエイト戦略にもっと期待できる（そして期待すべき）理由

14. テクノロジーと政治、旅行ディール（M&A）を再構築する

 

 

12. 不動産管理プロバイダー Apaleo、ホスピタリティAIエージェントのマー市場創設

不動産管理（property management）プラットフォームApaleoは、ホスピタリティセクター向けの人工知能エージェントのマーケットプレイスであるAgent Hubを作成しました。同社は、Agent Hubは、運営の合理化、収益性の向上、ゲスト体験の向上に役立つAIに基づくソリューションの共有、採用、発見、構築を支援することを目的としていると述べた。

「あまりにも長い間、ホスピタリティは、革新を阻害する時代遅れの閉鎖的なソフトウェアシステムに閉じ込められてきました。未来はオープンで、柔軟で、実際のビジネスニーズによって推進されます」と、ApaleoのCEOであるUlrich Pilauは述べています。

このアイデアは、Agent Hubを使用することで、ホテル経営者はベンダーに縛られることなく、エージェントをすばやく簡単に選択、カスタマイズ、実装できるということです。

「Agent Hubは、Apaleoの進化の次のステップです。ホテル経営者がテクノロジーに精通した開発者と同じくらい簡単にインパクトのあるAIソリューションを作成できる、オープンで協力的なスペースです」とPilauは言いました。「Apaleoは、宿泊施設のプロバイダーが簡単にAIを統合して拡張できるようにすることで、このテクノロジーをより実用的で、世界中のホスピタリティビジネスにとってアクセスしやすくしています。」

立上げ時に、このマーケットプレイスには、Lobbyと共同で作成された「Email Booking Agent」や、テクノロジーパートナーのTripleと共同で作成された「Corporate Sales Agent」と「Digital Twin Agent」など、いくつかのエージェントツールがあります。

TheNew Groupは、従来の顧客関係管理ソリューションに代わる「CRM & Guest Experience Agent」を作成しました。

Apaleoの事業開発担当副社長であるFlorian Montagは、「ホスピタリティの専門家は、AIイノベーションの急速なペースに追いつくために、ますますプレッシャーに直面しています。この技術は他のすべての業界に大規模に展開されているので、ホスピタリティはAIの可能性を最大限に引き出す方法も探求することが重要です。真実は、今から数年後にAIが、何ができるかは誰にもわからないということです。そのため、企業は適応性を維持することが非常に重要です。つまり、ニーズに合わせて進化し、柔軟に対応するオープンなソリューションを身につけることです。」

￥Apaleoは昨年11月に2,000万ユーロの成長株式投資を発表し、2023年にはシリーズAラウンドで900万ユーロを調達しました。

(2/26 https://www.phocuswire.com/apaleo-agent-hub-ai-travel-marketplace?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=9229H9640090J9N )

 

 

13. 旅行マーケターが、アフィリエイト戦略にもっと期待できる（そして期待すべき）理由

パーソナライゼーション機能は、その開始以来、長い道のりを歩んできており、一般的なインタラクションを、個々の旅行者と共鳴するターゲットを絞った有意義な体験に変えています。

これらのツールが進歩するにつれて、パーソナライゼーションは旅行ブランドの戦略において重要な差別化要因となっています。しかし、ブランドはまず、その真の力を活用し、その可能性を解き放つことができるようにするために、いくつかの基本ルールを確立する必要があります。

企業はまず、何を最適化するかを決定する必要があります。たとえば、新規顧客をターゲットにする場合、まず「新規」をどのように定義するかを理解する必要があります。これまであなたのブランドに全く関わったことがない人ですか？それとも、あなたのブランドのエコシステムから脱落した人ですか？

通常、ブランドが新規顧客を獲得するコストは、既存の顧客を維持するコストよりもはるかに低くなりますが、既存の顧客は指数関数的に価値がある可能性があり、それらを無視するとコストがかかる可能性があります。

アフィリエイトの世界におけるパーソナライゼーションの美しさは、戦略とメッセージングをA/Bテストし、全体的なマーケティング目標に基づいて迅速に最適化できることです。これらはすべて、ロイヤリティを育み、維持するためのものです。

旅行者が特定のブランドにロイヤルを誓う理由はいくつかあります。たとえば、価格、カスタマーサービスの質、ブランドとの履歴などです。たとえば、旅行代理店やメタサーチ会社は、価格重視の旅行者にアピールする素晴らしい仕事をしており、これらのウェブサイトのリストを比較すれば、どこでも最高の価格が見つかると説得しています。

これらのブランドは、価格を意識した旅行者と強い信頼関係を築いているため、旅行者の注意を引くために、さまざまな戦略とメッセージに傾くことが重要です。洗練されたアフィリエイト戦略は、適切なタイミングで、適切なメッセージで適切な人にリーチし、コスパに優れている（bang-for-your-buck）ようにすることができます。

キャッシュバックとロイヤルティサイトは、ハイパーターゲットの報酬を提供します

世界のキャッシュバック業界は約80億ドルと評価されており、世界中で5,000以上のサイトが運営されています。旅行ブランドは、個々のユーザーの好みに基づいて動的手数料率を実装することで、これらのサイトを効率的に活用できます。

これにより、マーケティング費用が最適化されるだけでなく、より良いユーザーエクスペリエンスも提供されます。一部のキャッシュバックサイトは、ファーストパーティデータを使用して人工知能主導の推奨エンジン（artificial intelligence-driven recommendation engines）を開発しています。このエンジンは、以前の目的地の履歴、特定の予約パターン、季節的な旅行の好み、ショッピングカテゴリの親和性、全体的な予算または支出習慣などに基づいてユーザーに旅行オプションを提案します。

たとえば、5つ星の高級ホテルブランドや航空会社は、Gucci, Loro Piana,  Rimowaなどの高級小売ブランドで頻繁に買い物をする旅行者に、他のすべての買い物客にベースラインのオファーを維持しながら、高いキャッシュバックレートを提供することができます。すべてのeコマースにおける旅行者の活動を理解することで、旅行ブランドは適切な価格で適切な旅行者に独自のインセンティブを提供することができます。

今すぐ購入、後払い（BNPL）プラットフォームは、文脈上の金融パーソナライゼーションを提供します

BNPLプラットフォームは、かなり長い間、従来の支払いモデルを混乱させてきました。2024年のPhocusWireの記事は、このモデルのいくつかのユースケースを紹介しています。適切に使用すれば、効果的な予算編成ツールとして機能します。

また、BNPLの機能により、旅行ブランドは、旅行の予約時に多額の一括払いをする余裕がない人々にアピールするために、オーディエンスを拡大することができます。これらの企業は、個々の財務プロファイルに基づいて支払いプランをカスタマイズしたり、旅行者の収入パターンに合ったカスタマイズされた分割払いオプションを提供したりできます。

例えば、Z世代の旅行者は、予算にやさしい目的地のために、より短く、より小さな分割払いでBNPLプランを受け取るかもしれません。一方、キャリアの半ばの専門家は、贅沢な旅行体験のために、より柔軟で拡張された支払いオプションにアクセスできます。旅行ブランドのコアオーディエンスに関係なく、BNPLオプションにより、これらのブランドはリーチを拡大し、新しい旅行者とつながることができます。

インフルエンサーパートナーシップ：マイクロターゲットオーディエンスマッチング

インフルエンサーとのパートナーシップは、過去数年間で最も話題になっているブランド構築かもしれません。それには正当な理由があります。Expediaは最近、旅行者の半数近くが、ソーシャルメディアで見た旅行全体を予約したいと答えたと報告しました。このニーズを満たすために、Expediaは最近Travel Shopsを立ち上げ、旅行インフルエンサーが1つの予約可能な場所でコンテンツをキュレート（必要な情報を整理・要約）する方法を提供しています。インフルエンサーのマッチメイキング機能は、特定の旅行者のペルソナでインフルエンサーを分類し、クリエイターとその旅行ブランドパートナーの間で堅牢なパーソナライズされたコンテンツコラボレーション戦略を構築できる方法で存在します。例えば、安全を意識した旅行者をターゲットにしたおひとり旅の女性旅行インフルエンサーや、コストを意識したミレニアル世代に話す予算旅行クリエイターがいます。

一部のアフィリエイトネットワークパートナーは、既存のインフルエンサーインフラストラクチャも整っているため、旅行ブランドはエコシステム内でストーリーを伝える適切なコンテンツクリエイターを簡単に見つけることができます。アフィリエイトネットワークはまた、インフルエンサーキャンペーンのアトリビューションとトラッキングの付加価値を提供し、キャンペーンの有効性が測定可能であることを保証します。

最新のアフィリエイトテクノロジーとネットワークサポートは、旅行マーケターが個々の旅行者の好みをより深く理解するのに役立ちます。その理解により、ブランドはより有意義で、パーソナライズされ、説得力のあるマーケティング体験を生み出すことができ、エンゲージメント、コンバージョン、そして最終的にはブランドロイヤリティを促進することができます。

著者について...

Joshua HellerはRakuten Advertising（楽天広告）の旅行ディレクターです。

(2/27 https://www.phocuswire.com/travel-marketer-affiliate-strategy?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=9229H9640090J9N )

 

 

14. テクノロジーと政治、旅行ディール（M&A）を再構築する

ほぼ12ヶ月前、American Express Global Business Travelは、5億7,000万ドル相当の取引でライバルのCWTを買収する計画を明らかにした。

近年のAMEX GBTの買収実績を考えると、多くの人にとって、それは驚きではありませんでした。しかし、大西洋の両側の当局は別の考えを持っていました。英国の競争市場局（CMA）は2024年11月にそれをブロックするために動き、米国司法省（DOJ）は2025年1月にそれに続きました。

議論は、新しい、より大きなエンティティがどのように競争を抑制し、顧客の選択肢と品質の低下、および価格の上昇につながる可能性があるかに焦点を当てています。Amex GBTのスポークスマンは、今年初めの最後の回答以来、それ以上のコメントは提供できないと述べた。

しかし、合併と買収（M&A）の状況に関しては、テクノロジーと政治的な問題は、当局が下す決定においてより多くの役割を果たしているようです。専門家たちは、人工知能の開発が驚異的なスピードで進化し、保護主義の新しい波が出現するにつれて、その影響は激化するだけだと主張しています。

グローバルディップ

Global dip

昨年は決して普通の年ではありませんでした。60カ国以上で選挙が行われ、世界的な政治的不安定さにより、旅行業界にはある程度の緊張がありました。

2024年、Phocuswrightは、Travel Startups Interactive Databaseで追跡している約8,000の旅行業界企業にわたる合併と買収（M&A）に、プライベートエクイティ、ベンチャーファイナンスを加えた合計301件の取引を数えました。それは、前年比で44%減少しました。

主張されている反競争的な性質と同様に、Amex GBTとCWTの取引は、テクノロジープラットフォームの優位性に対する懸念のために危機に瀕している。しかし、ある投資家は、テクノロジーの購入が実際に多くの旅行代理店の取引を促進すると指摘しています。

Thayer Investment Partnersの副社長であり、Unlock Advisorsの創設者であるCara Whitehillは、「多くの中堅TMCが社内で開発に必要な進歩に追いつくことができないため、TMC企業の間で多くの統合（consolidation）が見られます」と述べています。2024年の注目すべき取引には、TravelPerkがAmTravとYokoyを買収し、Concurの創設者であるSteve SinghとDirect Travelを買収する投資家グループが含まれます。

「彼らはまた、多くの場合、パートナーのようなサプライヤーと競争する必要があります。そのミッドティアのTMCは、競争するのに本当に良い方法を持っていません」とWhitehillは言いました。

AmadeusのCEOが強調したように、いわゆる「acqui-hires」（人材採用のための買収）は旅行業界では一般的ですが、規制当局はAmex GBTとCWTプラットフォームを組み合わせることは行き過ぎだと考えています。DOJは苦情の中で次のように述べています。「グローバルおよび多国籍の顧客にサービスを提供するには、技術的および顧客サービス能力の両方の大きな規模が必要で、それらを持っているのは、今日では、少数のTMCだけとなっている。」

Whitehillによると、この中間層が「圧縮」されているため、ジェネレーティブ人工知能ツールを構築するための内部の才能と、AIエンジニアに数十万ドルを費やす資金の両方が不足している彼らのために、競争当局は当然この規模の合併をシャットダウンすることを好むだろうと彼女は主張しました。

そして、このような取引が行われると、CWTとSpotnanaの戦略的パートナーシップの将来が疑問視されます。「それは、Amex GBTの商用モデルを脅かすだろう多くの革新を妨げています」とWhitehillは言いました。しかし、より広い市場と旅行サービスを必要とする膨大な数の中小企業（SME）の観点から、全体として、彼女はメガディールが許されるべきだと考えています。「とにかく、彼らは必ずしもそのビジネスで競争するわけではないので、市場には十分なビジネスが残っている」と彼女は言いました。

後ろ向き

Backward looking

多国籍企業の旅行バイヤーたちは、取引が進んだ場合、旅行プログラムのために頼りになるグローバルソリューションが1つ減るでしょうが、旅行業界の状況はは変化しつつある。

ある米国を拠点とする投資家（匿名希望）は、この買収を阻止することは意味がないと言う。業界のイノベーションのペースを遅くし、グローバルな多国籍企業の選択肢を制限する可能性がありますが、それは短期的な影響にすぎません。

「現実には、テクノロジーは急速に変化しています。旅行代理店の（人的」労働力を拡大することの競争上の利点は、時間の経過とともに減少しているだけです」と彼らは述べ、司法省の見解は「本当に後ろ向き」であると付け加えました。

「ますます多くの取引（transactions）がセルフサービスによって可能になっています。これにより、世界の多国籍企業と中小企業の境界線が曖昧になっています」と彼らは付け加えました。「今から5年か10年後を早送りすると、競争環境はかなり違って見えるかもしれません。この取引が通るかどうかにかかわらず、そうした力はすでに動いている。司法省がそれを止めるのは難しいでしょう、そして私は選択がそこにあると思います。」

厳格な規制環境

Strict regulatory environments

厳格な規制環境により、買収も同様に削減されています。ヨーロッパでは、規制当局は、Booking HoldingsによるスウェーデンのeTraveli Groupの買収を阻止しました。2023年9月、Bookingはこの決定を控訴すると述べたが、それ以来ほとんど発言していない。

旅行M&Aアドバイザーで企業金融スペシャリストのCambon PartnersのMorgann Lesnéは、「メガディールM&A活動、特に非常に目に見えるもの-は、おそらく2025年に危険にさらされており、確実と言うには程遠い。これは、環境と規制の課題がより厳しいヨーロッパでは特に当てはまります」と述べています。しかし、彼は17億ドルのDespegar-Prosus取引を指摘しています。「私たちはまだあまり心配するべきではありません」と彼は言いました。

トランプの再起動

Trump reboot

競争の減少に対する懸念は妥当であり、フロンティア航空やスピリット航空などのいくつかの注目度の高い取引を覆しましたが、今日の状況は異なるでしょうか？「前政権はおそらくM&Aの見方においてより保守的であり、競争への影響について異なる見解をとっていた」とWhitehillは述べた。「それはかなり変化しており、さらに多くの活動が見られるでしょう。何らかのエクジットを待っている取引に多くのお金が固定されています。これらの取引がシステムを通過して流れ始めると、縛られていた多くの資本が解き放たれ、それが新しいスタートアップにリサイクルされます。」

今年の1月、フロンティア航空はスピリット航空の買収を再開しました。

「新しい」大統領が就任するもう一つの要因は安定性です。「買い手が取引を追求するかどうか迷っていた場合、3か月前よりも今日の方が可能性が高い」と米国の投資家は付け加えた。

Trump大統領の就任以来、関税の引き上げを含む混沌とした大統領令が発行されました。第一次トランプ政権下で躓いた案件のひとつが、Stayntouchが提案した中国の石家情報技術への売却でした。政府は国家安全保障上の懸念から2020年にこれを阻止しました。「また、取引を成立させたいのなら、政権に何が起こるかわからないので、今後数年で成立させなければならないという見方もあります。多少の緊急性があるかもしれない」とこの投資家は言った。将来的には、大規模な旅行会社が、次の買収を行うために、議員をなだめるために、特定の利害関係や部門を売却することを余儀なくされるかもしれません。

「Googleについて多くの会話があります」とWhitehillは言いました。「Googleは、すでに非常に大きいため、誰も獲得できません。だから、彼らは本当に獲得することはできません。この新しい政権でそのアプローチが定着するかどうかを見るのは興味深いでしょう。そこでは、取引の許可に前向きですが、それは別の買収方法を考える必要があります。」

Amex GBTとCWTに関しては、おそらく適切な時期に適切な取引が行われなかったということだろう。結局のところ、競争監視団は世界の他の地域と同様、テクノロジーのトレンドに追いつこうとしている。

米国の裁判官は、司法省が取引を阻止する訴訟を起こした後、9月8日に裁判日を設定し、英国のCMAは3月9日に決定を下す予定です。

(2/27 https://www.phocuswire.com/technology-politics-impact-travel-acquisitions?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=Daily&oly_enc_id=9229H9640090J9N )

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